2009年5月31日日曜日

〔FEDフォーカス〕米長期金利上昇で国債買い入れ増額も

2009年 05月 29日 14:04 JST
[ワシントン 28日 ロイター] 米長期金利の上昇を受けて、連邦準備理事会(FRB)が国債やモーゲージ債(MBS)の買い入れ増額を迫られるとの見方が出ている。
 アナリストの間では、買い入れを増やすのであれば、大規模に実施しなければ効果は期待できないとの指摘もある。

 FRBの資産買い入れをめぐっては、コーン副議長が23日の講演で景気刺激効果を認める発言をしたほか、4月の連邦公開市場委員会(FOMC)で買い入れ増額の可能性が議論されていたことも明らかになっている。
 

 その後、金融市場では米財政悪化に対する懸念が強まり、長期金利が上昇した。

 2009年度の米財政赤字予測は1兆8000億ドル、財務省は今年約2兆ドルを借り入れる計画だ。

 イールドカーブは大幅にスティープ化しており、2年債と10年債の利回り格差は27日、過去最大を記録した。巨額の国債発行が続くなか、投資家は米国債の購入に慎重になっている。

 FRB内部では、国債買い入れを増額すれば、バランスシートが肥大化するとの懸念もあるが、長期金利の上昇が進めば、民間への低利融資の流れが断ち切られ、景気の回復が妨げられる恐れがある。

 ライル・グラムリー元FRB理事は「このまま長期金利の上昇が続けば、景気回復が阻害される事態も想定しなければならない」と指摘。「資産の買い入れを拡大するなら、かなり大規模に実施しなければ効果は期待できない」と述べた。

 アナリストによると、次回6月23─24日のFOMC前にFRBが緊急で買い入れ増額に動く可能性は低い。

 FRBは6カ月間で最大3000億ドルの長期国債を買い入れる方針だが、現時点ではまだ半分弱しか買い入れておらず、増額にはFRB内部の意見調整が必要になる。

 FRBでは、買い入れを増額すれば、将来のインフレリスクが高まるとの懸念が出ているほか、FRBが財務省と結託して財政赤字を穴埋めしているとの見方が広がる恐れもあり、FRBの独立性を脅かすとの批判も出ている。
 

 <無力>  

 米国債の売りが一気に膨らむなかで、FRBが国債を買い入れる事態になれば、FRBは大きなリスクを抱えることになる。
 ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ロウ・クランダル氏は「失敗すれば目もあてられない。『FRBは無能』との評判が立つことになる」と述べた。

 市場では、米国債の下落が住宅ローン金利など他の金利にどの程度影響を及ぼすかで、買い入れ増額の是非が決まるとの見方が多い。

 クランダル氏は、期間10年のスワップスプレッドが今週急拡大しており、信用収縮が悪化していると指摘。

 「もし、純粋に経済ファンダメンタルズに基づく動きであれば、買い入れ増額の可能性は高まらない。ただ、現実にはリスクプレミアムが乗り、スワップスプレッドが拡大しており、増額の可能性が高まっている」と述べた。


 FRBは、長期国債3000億ドルの買い入れに加え、年内にMBSを最大1兆2500億ドル、政府機関債を最大2000億ドル買い入れる方針。

 長期国債の買い入れ額は27日時点で1305億ドル。MBSの買い入れ額は21日時点で4815億ドル。

 コーン副議長は23日、FRBの資産買い入れについて、今後数年で国内総生産(GDP)を1兆ドル(インフレ調整後)押し上げる効果があるとの試算を明らかにした。

 ローセンス・マイヤーFRB元理事は、米国債の急落でFRBが国債買い入れを増額する可能性が高まったと指摘。

 ただ、次のFOMC前に決定が下されることはないとの見方を示した。

 マイヤー氏は「問題は、バーナンキ議長がどこまで強く増額を主張するかだ」と述べた。
 

 <内部対立>
 

 マイヤー氏は「現在の金融政策は適切とは言えず、なぜもっとも積極的な行動に出ないのか不思議だ。おそらく、内部に意見対立があり、効果に限界があるとの見方が出ているのだろう」と述べた。 
 FRBは4月のFOMCで政策金利をゼロ付近に据え置くとともに、資産買い入れの増額も検討したが、結局は今後の市場動向を見守ることで一致した。

 議事録を読むと、買い入れ増額を主張する陣営と、インフレを懸念する陣営の間で意見が対立したことがうかがえる。


 FRBのバランスシートの規模は現在2兆ドルで、昨年9月のリーマン・ブラザーズ破たんから2倍に拡大している。

 FRBは金融危機対策を適切な時期に縮小する方針を示しているが、バランスシートが肥大化すれば、それだけ圧縮が難しくなる。

 

 国債買い入れを大幅に増額すれば、市場のインフレ懸念をあおる可能性があるため、FRBが長期金利に一定の目標を設定して大規模な買い入れに踏み切る可能性は低いとみられる。

 マイヤー氏は「(買い入れ増額は)逆効果を招く可能性もある。市場にインフレ懸念が広がり、(長期金利に)インフレプレミアムが乗れば、容易には払しょくできない。慎重に進める必要がある」と述べた。

2009年5月30日土曜日

電通の「大赤字」を隠す旭日大綬章

月刊FACTA5月29日(金) 11時 3分配信 / 経済 - 経済総合

「広告と電通を一流の存在として世間に認めてもらう」ことに執念を燃やしてきた電通の成田豊最高顧問が、春の叙勲で財界人の勲章としては最高位となる旭日大綬章を受章した。

4月13日には与謝野馨財務・金融・経済財政相肝いりの「安心社会実現会議」の初会合が開かれ、前総務相、前検事総長や前日銀副総裁ら政官財界のそうそうたるメンバーが顔をそろえるなかで、成田が座長に指名された。与謝野は東大野球部の後輩。その縁で選ばれたと見られるが、与謝野が求める「超然たる立場からの自由な議論」とは裏腹に、電通の暗部を覆い隠すこの栄誉は笑止の極みとしか映らない。

本誌が昨年7月号の「電通中国『アンタッチャブル』」で追及した電通の中国子会社、東方日海の元営業総監(本部長)兼深セン支店総経理、王越が不正経理容疑で中国の公安(警察)に逮捕されてから1年以上経ったこの3月、ついに王越に懲役2年の実刑判決が下ったという。

4月に東方日海の董事長(会長)となった電通出向の花畑賢治・前総経理の告発があったとはいえ、電通中国の子会社が「不正の魔窟」となった理由は、社長時代の成田がタニマチをつとめた中国人女流書家、婁正綱の秘書兼マネジャーだった黄楓を重用、その勝手を許したからだ。王越はもともと婁のカメラマンであり、東方日海や上海東派の設立時、出資を電通と折半した黄のツテで入社した。

その黄楓関連の出費についても、すでに07~08年に東京国税局が「重大な疑義が含まれる」と判断、電通に調査(対象期間は上限の7年)に入った。当時の担当者は財経本部経理局税務企画部の「緒川」だが、「極秘」と銘打たれた電通内部文書によると──

(1)過去の顧問料等の手当に対する成果物が存在せず、社幹部のヒアリングを経てもその存在の実態が明らかとはなっていない。

(2)北京事務所および上海東派間で同一の証憑コピー貼付(主に出張関連費用)が多く確認され、当該事務所費用が根拠の無い出費と判断された模様。

結局、「上記の追徴課税対象額の合計は約4億円。重加算税の適用は免れたため、追徴金合計は対象額の約50%の2億円規模」だったようだ。

日中当局が確認したこれら不正事実を、電通は一切公表していない。成田の責任に直結するからである。

もうひとつ、成田のイチジクの葉は、09年3月期決算で計上された447億円(単体ベース)の有価証券評価損だろう。連結では511億円の特別損失を計上、最終損失は204億円と、創業期の1901、02年以来の赤字を記録した。評価損の大半を占める377億円は、電通が02年に鳴り物入りで資本参加したフランスの広告大手ピュブリシスの株式とORA(株式で償還される債券)によるものなのだ。

当時の電通は、先に21%の株式を保有していた世界7位の米広告会社Bcom3が、世界6位の仏ピュブリシスと合併、世界4位の新ピュブリシス・グループに生まれ変わるため、新会社の株15%を保有しようと5億ドルを追加出資した。Bcom3が破綻寸前で、手を差し伸べたピュブリシスに飛びついたのが、当時の成田社長、大島文雄副社長、高橋治之取締役(2008年6月号、FIFA疑惑の主役)である。案の定、ピュブリシス株は以来7年、取得価格の一株39ユーロを超えることが一度もなく、評価損計上を余儀なくされた。107年ぶりの赤字の元凶となったのに、張本人の成田は知らん顔である。

国内でも新聞やテレビなど「マス4媒体」の広告取扱高が9%も減少して1兆円を割った。新分野のネット広告も傘下のオプトが110億円の評価損と八方ふさがり。それでも俣木盾夫会長、高嶋達佳社長は、続投にあたって「過去のことは忘れて」と成田“天皇”の擁護に余念がない。(敬称略)

(月刊『FACTA』2009年6月号)

GM、1日に破産法申請=製造業倒産で最大規模-「国有化」、大統領が支援表明へ

5月29日11時13分配信 時事通信

 【ニューヨーク、ワシントン28日時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は28日、経営危機に陥り政府支援を受けている米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)に対し、オバマ政権が、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)適用を6月1日に申請させる計画だと報じた。
 申請すれば、4月末の同業クライスラーに続き、米ビッグスリー(3大自動車メーカー)のうち2社が破産手続きに追い込まれる異常事態。米メディアによると、総資産ベースでは、米製造業で過去最大規模の倒産となり、自動車業界のみならず、米景気や金融市場に甚大な影響を及ぼす懸念がある。
 GMは裁判所の下で過剰債務を一掃し早期再建を目指す。自動車業界を「戦略的産業」と位置づけるオバマ大統領が6月1日に声明を発表し、資金繰りに必要な追加融資を中心に全面支援する方針を表明するとみられる。
 GMは既に、破産法申請を前提にした、272億ドル(約2兆6000億円)に上る無担保債務の削減計画を発表。米政府や全米自動車労組(UAW)、社債保有者など一般債権者の同意を得た上で「事前調整型」の破産手続きに入る意向だ。計画通りなら米政府が再建後の「新生GM」が発行する普通株の72.5%を握り、実質国有化する。 

5月29日22時50分配信 毎日新聞
米政府にとって、従業員数や販売台数でクライスラーの4倍以上の規模を持つGMの破綻処理は一歩間違えば、景気や雇用、市場に大きな打撃を与えかねないだけに「細心の注意が求められる案件」(米投資会社アナリスト)。政府高官は28日、破産申請後のGMの再建について「60~90日程度で法的手続きを終えたい」と説明。短期の再建手続き完了で破綻ショックを最小限に抑えたい考えを示したが、シナリオ通りに運ぶか、なお予断を許さない状況だ。


【バサラ男の独りごと】
 円・金・銀はチャート的に天井圏からいつ暴落してもおかしくありませんが、この件もあり天井に貼りついたままです。 6月1日のオバマ大統領の声明とその反響をきっかけに一時的なドル高になると予想しますが、もし動かなければ別のシナリオを検討しなければならない。

<FX取引>金融庁が規制強化

5月29日23時14分配信 毎日新聞

 金融庁は29日、外国為替証拠金(FX)取引で預けた証拠金の数倍の取引ができる「レバレッジ取引」について、取引額を証拠金の最高25倍までとする規制案を公表した。新規制では、FX業者に取引額の4%以上の証拠金を預からずに取引を行うことを禁じる。公布から施行までおおむね1年の猶予を設け、施行後1年間は最高50倍までとする経過措置を設ける。

 国内のFX業者は現在約120社で、半数以上が100倍以上のレバレッジ取引を提供しているという。規制導入で業者の淘汰(とうた)が進む可能性もありそうだ。

トヨタ、富士F1開催から撤退検討=経営悪化でコスト削減

5月30日1時0分配信 時事通信

 トヨタ自動車が、子会社が運営する「富士スピードウェイ」(FSW、静岡県小山町)でのF1開催からの撤退を検討していることが29日分かった。業績不振に苦しむ中、巨額の運営費がかかるF1開催も見直しの対象となった。F1参戦自体は継続する方針だ。 


【バサラ男の独り言】
 数年前、富士スピードウェイでのF1復活第一戦に行きましたが、ひどい運営に呆れ果てました。当時、飛ぶ鳥落とす勢いのトヨタの先行きは暗いと感じましたが、まさに大竹慎一さんの予想された通りになりました。トヨタの没落とこれから始まる戦後の日本神話の幕引き/暗転で、日本は第二ステージに移行することになりますが、はてさてどうなりますか。

2009年5月27日水曜日

USインフレーションはジンバブエレベルへ ~ マーク・ファーバー

5月27日(ブルームバーグ) - 2009.05.27(Wed)
米経済:ジンバブエに匹敵する超インフレ突入へ-ファーバー氏
有力投資家のマーク・ファーバー氏は27日、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げをちゅうちょすると予想されることを理由に挙げ、米経済がジンバブエの水準に匹敵する「ハイパーインフレ(超インフレ)」に突入するとの見通しを明らかにした。

同氏は香港でのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米国の物価が今後、ジンバブエに「近いペースで」上昇する恐れがあると警告した。ジンバブエ統計局の発表によれば、昨年7月時点の同国の年間インフレ率は2億3100万%に達している。

ファーバー氏は「米国のハイパーインフレ突入を100%確信している」と指摘。「政府債務の著しい拡大に伴う問題は、FRBが利上げを実施すべき時機が訪れても大いにちゅうちょし、インフレが加速し始めるのを許すと予想されることだ」と語った。

フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は21日、2011年に米国のインフレ率が2.5%に達する可能性があると発言。これはFRBが長期的に好ましいとみている1.7-2%のレンジを上回る水準で、景気低迷が物価の広範な下落を招きかねないとみる一部の当局者やエコノミストらの懸念とは対照的な予測だ。

サンフランシスコ連銀の調査担当アソシエートディレクター、グレン・ルードブッシュ氏は26日、リセッション(景気後退)の深刻さや失業率が9%以上に上昇するとの見通しを考慮すると、今後数年間は政策金利をゼロに近い水準にとどめておく必要があるかもしれないと述べた。

米金融当局は、融資回復と半世紀で最悪のリセッションの終息を目指し、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を昨年12月以降、ゼロ-0.25%に据え置いている。

ファーバー氏は、世界経済がリセッションからは回復するものの、 2006-07年の繁栄に戻ることはないと予想。引き続き米国債よりもアジア株を選好すると指摘し、向こう5年間は日本株が他の多くの市場をアウトパフォームする可能性があるとの見方を示した。

2009年5月22日金曜日

ロジャーズ氏「通貨危機」説、年末年始に株式急落の恐れ?

2009/05/21(木) 14:50
米投資家のジム・ロジャーズ氏は20日メディアのインタビューで、「各国の中央銀行の紙幣乱発により、次の金融危機が通貨危機という形で現れる可能性がある。現在戻しつつある株式市場も年内に再度底を打つ可能性がある」と予想した。中国経済網が21日付で伝えた。

 同氏は、米ニュース専門放送局CNBCのインタビューで「通貨危機説」を披露。同氏は「これまでの株式市場の戻しは、主に各国の中央銀行による、紙幣の大量発行に起因する。株式市場は再度底を打つ可能性がある」と述べ、「今年末、あるいは来年早々に急落する恐れもある」との予想を展開した。

  同氏はまた、「確かに通貨は現時点で、金融市場に存在するすべての資産の中でも安全な方だ。しかし長期的にみれば、通貨市場には大きな『落とし穴』がある。今は分からなくても、いずれ分かることだ。もし私の判断が正しければ、今後10―20年間で通貨は多くの問題に直面する」と言及し、紙幣の大量発行だけに頼った世界経済の復興、成長は難しいとの見解を示した。しかし、通貨危機への対応については「私はまだ現時点で(潜在的な通貨危機に対して)何の回避措置もとっていない。どのように対応すべきか現在検討中だ」と述べるにとどまり、これまでに公表した日本円の買い入れも、その後は進めていないことを明かした。

 一方同氏は、「世界経済が一旦危機から脱すれば、いち早く復活するのは、金融危機で投資抑制を受け、供給不足を招いた鉱物、石油、農産物などコモディティ分野になるだろう」と述べ、「私は農産物への投資に力を入れる。また、現在所有しているのは金だが、今後は銀も多く買うつもりだ」、「原油価格は現在、年4-6%の下落基調で、需要も落ち込んでいる。しかし長期的に見れば、新たな油田が発見される可能性も低く、いずれは高値に回復、維持するだろう」などと語り、商品投資への好感を示した。