2009年10月9日金曜日

<ヨウジヤマモト>民事再生法の適用を申請 負債約60億円

10月9日19時42分配信 毎日新聞

 「Y’s(ワイズ)」などのブランドショップを展開し、パリコレクションの常連でもある山本耀司氏のデザインで知られるアパレル業のヨウジヤマモト(大塚昌平代表取締役、本社・東京都品川区)は9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。帝国データバンクによると、負債総額は約60億円。

 同社などによると、ヨウジヤマモトは山本氏が84年に設立。伊勢丹や西武百貨店などの百貨店を中心に国内60店舗のブランドショップを保有している。08年8月期の売上高は95億円。80年代にはコム・デ・ギャルソン、イッセイミヤケなどと並び、DCブランドブームの一角を占めた。08年からはニューヨーク、パリに大型店を出すなど海外事業の拡大を進めていたが、昨年末以降の景気低迷で拡大戦略が裏目に出た。

 同社のスポンサーには、投資会社のインテグラル(同千代田区)が名乗りを上げており、同社主導で再建が進む見通し。大半の店舗も営業を続ける見通しという。

 山本耀司氏は1943年生まれ。慶大卒業後、文化服装学院デザイン科を経て72年に自身の会社「ワイズ」を設立。81年にパリコレクションに初参加。川久保玲氏の「コム・デ・ギャルソン」と共に、「第三の波」「東からの衝撃」などと称賛され、世界のファッション界に新風を吹き込んだ。黒を基調とした左右非対称のデザイン、素材の特性を生かしたカット技術などで独自の地位を確立。日本を代表するデザイナーの一人として活躍している。86年、94年に毎日ファッション大賞を受賞した。

 今月2日の2010年春夏パリコレには参加していた。

2009年10月5日月曜日

ヴェルサーチ国内全4店閉店 事実上の日本撤退

10月5日19時45分配信 J-CASTニュース

 海外の高級ブランドが国内店舗を次々と閉鎖している。シャネルが九州の店舗を閉店し、ルイ・ヴィトンは東京・銀座への大型店出店を白紙に戻した。イタリアの高級ブランド「ヴェルサーチ」は国内全4店舗を閉店し、日本法人の広報部門の閉鎖も決まった。事実上の日本撤退と言えそうだ。

■日本の08年売上高は前年の半分

 「ヴェルサーチ」の日本法人、ヴェルサーチ・ジャパンは2009年5月に東京・紀尾井町の本店を閉店し、7月までに百貨店内の店舗2店とアウトレット1店もなくした。これで国内直営店全4店舗が姿を消した。また10月31日をもって、ヴェルサーチ・ジャパンの広報部門を閉鎖することも決まっている。

 ヴェルサーチは1978年にイタリアで設立され、アルマーニやフェレと並んで一世を風靡した。派手な色合いが多かったことから、日本ではバブルの象徴とも言われた。ところが1997年にデザイナーのジャンニ・ヴェルサーチが亡くなってから売れ行きが低迷し、巨額赤字に転落。日本でも正規価格での販売店は3店舗にまで減り、特にリーマンショック以降は派手系の服がめっきり売れなくなった。ヴェルサーチ・ジャパンの2008年12月決算の売上高は16億円で、前年の30億円に比べて半減している(帝国データバンク調べ)。

 ヴェルサーチ・ジャパンの広報担当者は店舗の閉鎖について、

  「本国の方針ですので、現段階で公式にコメントできることはありません」

との回答にとどめた。

■ルイ・ヴィトングループの売上高も20%減

 ただ、事情をよく知る関係者は、こんな見方をする。

  「2010年秋以降にヴェルサーチは日本で新店舗を出す計画もあり、一旦クローズという方が正しいかもしれません」

 本店を移転する計画だったが、そこへリーマンショックの打撃を受けて移転が難しくなった。バブル期の名残がある本店で営業を続けるよりも、一度クローズするほうがよいと方針を転換したのでは、と前出の関係者はいっている。

 しかしヴェルサーチは08年に中国に10店舗も出店している。売れない日本に見切りをつけたとも言えそうだ。

 日本での高級ブランドの売れ行きは依然厳しく、ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールを傘下に持つ高級ブランド最大手の仏モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)は、09年1~6月期の日本での売上高(円ベース)が前年同期比20%減少した。アメリカの13%減、ヨーロッパの5%減よりも減少幅が大きい。一方、日本を除くアジアでは4%増加した。

 仏の宝飾ブランド「カルティエ」を傘下に持つスイスのリシュモンは、09年4~8月期の日本の売上高(ユーロ)が7%減だった。

 矢野経済研究所によると、08年の海外高級ブランドの日本市場は1兆643億2600万円(小売金額ベース)で、前年比89.8%の大幅なマイナスを記録した。同社は「09年の高級ブランド市場規模はさらに縮小し、1兆円の大台を割り込むだろう」と予測している。

 かつて「ドル箱」と呼ばれていた日本市場だが、中国やインドなど新興国に鞍替えするブランドが今後も出てきそうだ。



突然日本市場から姿を消した人気ブランド・ヴェルサーチ
週刊文春10月 1日(木) 12時35分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合

なぜ、日本を撤退?

「ドバイにヴェルサーチがデザインした高級リゾートホテルがまもなくオープンするということもあり、今後、高所得者層についてはニューヨーク、ドバイ、ミラノで、一般客については、中国やロシアで確保するという戦略です。日本市場は魅力的ではないんですね」(同前)

 では今後、サッチーや新庄たちは何を着ればいいのか?

「ゴージャスなデザインが得意な『ロベルト・カヴァリ』ですね」(宮田さん)

「男性には『トム・フォード』。海外ではセレブ御用達です」(木村さん) 

(週刊文春2009年10月8日号「THIS WEEK 流行」より)