5月27日(ブルームバーグ) - 2009.05.27(Wed)
米経済:ジンバブエに匹敵する超インフレ突入へ-ファーバー氏
有力投資家のマーク・ファーバー氏は27日、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げをちゅうちょすると予想されることを理由に挙げ、米経済がジンバブエの水準に匹敵する「ハイパーインフレ(超インフレ)」に突入するとの見通しを明らかにした。
同氏は香港でのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米国の物価が今後、ジンバブエに「近いペースで」上昇する恐れがあると警告した。ジンバブエ統計局の発表によれば、昨年7月時点の同国の年間インフレ率は2億3100万%に達している。
ファーバー氏は「米国のハイパーインフレ突入を100%確信している」と指摘。「政府債務の著しい拡大に伴う問題は、FRBが利上げを実施すべき時機が訪れても大いにちゅうちょし、インフレが加速し始めるのを許すと予想されることだ」と語った。
フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は21日、2011年に米国のインフレ率が2.5%に達する可能性があると発言。これはFRBが長期的に好ましいとみている1.7-2%のレンジを上回る水準で、景気低迷が物価の広範な下落を招きかねないとみる一部の当局者やエコノミストらの懸念とは対照的な予測だ。
サンフランシスコ連銀の調査担当アソシエートディレクター、グレン・ルードブッシュ氏は26日、リセッション(景気後退)の深刻さや失業率が9%以上に上昇するとの見通しを考慮すると、今後数年間は政策金利をゼロに近い水準にとどめておく必要があるかもしれないと述べた。
米金融当局は、融資回復と半世紀で最悪のリセッションの終息を目指し、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を昨年12月以降、ゼロ-0.25%に据え置いている。
ファーバー氏は、世界経済がリセッションからは回復するものの、 2006-07年の繁栄に戻ることはないと予想。引き続き米国債よりもアジア株を選好すると指摘し、向こう5年間は日本株が他の多くの市場をアウトパフォームする可能性があるとの見方を示した。
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