2008年10月20日月曜日

ウィリアム・オニール氏 銅相場は「厳しい」クリスマスに

商品調査会社ロジック・アドバイザーズ(米ニュージャージー州)のパートナー、ウィリアム・オニール氏は、製造業向け金属需要の後退により銅相場の下落が少なくとも年末まで続き、さらに20%下げる可能性があるとみている。

 今日のチャートは、9月の米鉱工業生産指数が前年同月比で4.5%低下し、 2002年1月以来の低水準となったことを示している。02年1月には、銅相場は1ポンド当たり約70セントで取引されていた。オニール氏は製造業の生産の「大幅な」落ち込みは、銅相場が年末までに1ポンド当たり1.75ドルまで下落する可能性を示唆しているとみている。中心限月の17日終値は2.1795ドルだった。

 オニール氏は「鉱工業生産がこれほどまでに減少すれば、市場関係者は大急ぎで銅を売却しようとするだろう」と指摘。「製造業の銅需要は大幅に減少すると予想される。クリスマスシーズンがどのような状態になるか想像するとぞっとする。銅相場は厳しい時期に入るだろう」との見方を示した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が16日に発表した9月の米鉱工業生産指数は前月比2.8%低下と、過去ほぼ34年で最大の落ち込みを示した。米業界団体の銅開発協会(CDA)によると、銅消費のうち、電子機器や輸送機器、消費財、機械類の製造向けが54%を占める。

 世界経済がリセッション(景気後退)入りするとの観測が高まるなか、銅相場は、過去最高値の1ポンド当たり4.2605ドルに達した5月以降、ほぼ半分の水準まで下げている。米ゴールドマン・サックス・グループや米JPモルガン・チェースなどの銀行は先週、09年の銅相場平均の見通しを、従来予想から最大56%引き下げた。