2011年8月27日土曜日

投資家ファーバー氏:米S&P500種、年初来高値の更新ない公算大

 8月23日(ブルームバーグ):ニューズレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」の発行人で投資家のマーク・ファーバー氏は、米S&P500種株価指数の新たな上昇局面が見られる可能性はあるが、年初来高値の約1370を年内に上回ることはないだろうと述べた。

  ファーバー氏は23日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、S&P500種は1250前後まで上昇するとの見通しを示した。これは22日終値を約11%上回る水準。強気派、弱気派とも失望する展開となるだろうと予想した。

バーナンキ米FRB議長のジャクソンホール会合での講演要旨

ロイター 8月27日(土)0時58分配信

 [ジャクソンホール(米ワイオミング州) 26日 ロイター] バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は26日、米ワイオミング州のジャクソンホールで講演を行った。発言内容は以下の通り。

 <経済成長、インフレ見通し>

 上半期の経済成長が連邦公開市場委員会(FOMC)の予想よりもかなり緩やかで、一時的な要因では景気の弱さのごく一部しか説明できないことを最近のデータは示唆している。このため、FOMCは今後数四半期の成長ペースの見通しを引き下げた。ただ、緩やかな回復は続き、徐々に強さを増すと予想している。

 商品(コモディティー)価格やその他の重要な物価が穏やかになり、長期のインフレ期待が引き続き安定する中、インフレ率は今後数四半期で、FRBの二重の責務に合致すると大半のFOMCメンバーが考える2%程度またはそれを下回る水準に落ち着くと予想している。

 <先のFOMCでの政策決定の意味>

 FOMCは、低水準の資源活用や抑制された中期インフレ見通しなどの経済状況により、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を少なくとも2013年半ばまで異例の低水準に維持することが正当化される可能性が高いとの認識を示した。これはつまり、FOMCとして最も可能性が高いと判断する資源活用や中期インフレのシナリオにおいて、FF金利の誘導目標が少なくとも今後2年にわたり現在の低水準に据え置かれるということだ。

 <FRBが有するその他の手段>

 将来のガイダンスを調整することに加え、FRBは追加的な金融刺激に使うことができる一連の手段を有している。われわれは8月の会合で、これらの手段の相対的な利点とコストについて協議した。われわれはさらに徹底的に議論するために、9月の会合日程を当初の1日から2日間(9月20日─21日)に延長し、これらの手段および経済・金融動向を含むその他の関連問題について引き続き協議する。

 FOMCはこれからも入手するデータに基づき経済見通しを判断する。また物価安定の上で一段と力強い景気回復を促進するために適切な手段を講じる用意がある。

 <市場のボラティリティー>

 金融ストレスは国内外で回復に対する大きな足かせとなってきたが、今も足かせとなり続けている。

 このところ市場では再びボラティリティーが高まり、リスク回避の動きが出ている。これは欧州諸国のソブリン債に対する懸念、および大手格付け機関の1つによる米長期信用格付けの引き下げ、米国の連邦債務上限引き上げをめぐる議論を含む米国の財政状況に対する懸念を反応したものだ。

 これらのことが経済活動にこれまでどの程度影響を及ぼしてきたかを判断するのは難しい。ただ家計と企業の信頼感を損ね、成長に対する継続的なリスクとなっていることに疑いの余地はほとんどないだろう。

 FRBは金融市場および各機関の動向を引き続き緊密に注視し、欧州をはじめその他の地域の政策担当者と頻繁に連絡を取り合っている。

 <長期的な経済成長見通し>

 時間を要する可能性はあるが、われわれは成長率および雇用水準がこれらの基調ファンダメンタルズと一致する水準に回復すると合理的に予想できる。現在直面している深刻な課題にもかかわらず、私は米経済の長期的な成長余地が危機やリセッション(景気後退)により著しく影響を受けるとは見込んでいない。ただこれは、そのために必要な措置を米国が講じればとの仮定に基づくことを強調したい。

 <金融・財政政策が及ぼす影響>

 通常は短期的な経済回復ペースの加速を主な目標とする金融政策もしくは財政政策が、長期的な経済のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすとは期待されていない。

 ただこうした標準的な見方からすると、現在の状況は例外的である可能性がある。 

 米国の経済政策運営は、国の長期見通しに大きく影響する。経済が潜在能力を完全に発揮して成長できるようにするには、マクロ経済・金融の安定促進、税制・貿易・規制に関する効果的な政策の導入、官民両セクターにおける生産的な投資の促進、革新技術の導入に向けた研究・開発(R&D)の適切な支援に政策担当者は注力する必要がある。

スイス中銀、スイスフラン建て預金への手数料徴収を銀行に要請とのうわさ否定

ロイター 8月27日(土)4時34分配信

 [チューリヒ 26日 ロイター] スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は26日、スイスフラン高抑制のためスイスフラン建て預金に手数料を課すよう国内銀行に書簡で要請したとのうわさを否定した。

 SNBの報道官がこのうわさを否定したことなどから、スイスフランはドルとユーロに対して2%安となっている。

スイス中銀、スイスフラン建て預金への手数料徴収を銀行に要請とのうわさ否定

ロイター 8月27日(土)4時34分配信

 [チューリヒ 26日 ロイター] スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は26日、スイスフラン高抑制のためスイスフラン建て預金に手数料を課すよう国内銀行に書簡で要請したとのうわさを否定した。

 SNBの報道官がこのうわさを否定したことなどから、スイスフランはドルとユーロに対して2%安となっている。

米FRB議長によるジャクソンホール講演のポイント分析

ロイター 8月27日(土)10時49分配信

[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 26日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長講演のポイント分析は以下のとおり。 

 ◎刺激策の選択肢 

 具体的な追加刺激策は示さなかった。発言では「FRBは追加的な金融刺激に使うことができる一連の手段を有している」「徹底的に議論するために、9月の(連邦公開市場委員会=FOMC)会合日程を当初の1日から2日間(9月20日─21日)に延長し、これらの手段および経済・金融動向を含むその他の関連問題について引き続き協議する」

 「FOMCはこれからも入手するデータに基づき経済見通しを判断する。また物価安定の上で一段と力強い景気回復を促進するために適切な手段を講じる用意がある」と述べた。

 エコノミストは、新たな主要施策を説明するとは予期していなかったが、選択肢をやや詳細に述べるとの見方が多かった。講演ではこのような期待には応えなかった。 

 ◎失業水準が大きな懸念  

 インフレは脅威ではなく、米経済が直面する真の問題は「異例に高水準の」長期失業率だと指摘。FRBが景気回復が失速しないようコミットメントを続ける意図を示したとみられている。 

 「この異例の状況下、より強い景気回復を促進する当座の政策は、長期目標にも同様にも該当する」「短期的に就業が戻ることは、経済的に難しい時代の困難な状態を軽減し、生産手段を休眠状態からフルの潜在生産力とすることへの一助となる」と議長は指摘した。   

 ◎経済見通し  

 今年下期に経済成長は上向くとのFRB見通しを議長は再確認し、コモディティ価格高や日本の震災を「上期の経済状況が振るわなかった理由の一部」と指摘した。

 しかし住宅・金融セクターの危機の度合いからみて、今回の景気回復は、過去の多くの景気後退(リセッション)からの回復よりも遅いとの見方を示した。  

 ◎議会に経済成長策を求める  

 議長は「長期的に力強い経済成長を支援する多くの経済政策は、中銀の領域外」と述べ、政治面での経済対策をあらためて求めた。

 米国が財政面での健全性を取り戻す必要性を認めつつ、財政政策の策定にあたり「現在の脆弱な景気回復を結果的に無視することになってはならない」と述べ、共和党への批判をにじませた。

 議長はまた「より良い財政政策の決定過程」を求め、債務上限引き上げをめぐる議会の迷走について「金融市場、そしておそらくは経済に悪影響を与えた」と述べた。  

 ◎長期的には楽観 

 議長は講演の冒頭、米国や他の先進国が長期的に衰退過程にあるとの一部投資家の懸念を否定。

 「私の長期的な見通しは楽観的だ。もちろん重要な問題があるが、米国の成長に向けたファンダメンタルズは、過去4年のショックにより完全に変わってしまったわけではない。ある程度時間はかかるだろうが、これらのファンダメンタルズに沿った形で成長率や雇用水準が戻ると考えるのが妥当だろう」と述べた。

2011年8月23日火曜日

モビアス氏:株式の投資妙味高い-ファーバー氏も米国株上昇を予想

8月5日(ブルームバーグ):資産運用会社テンプルトン・アセット・マネジメントのエマージング・マーケッツ・グループのマーク・モビアス執行会長は、世界の市場が混乱する中で、株式の投資妙味は高いとの認識を示した。一方、ニューズレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」の発行人で投資家のマーク・ファーバー氏も、S&P500種株価指数の約40-50ポイント上昇を予想している。

  S&P500種は4日、60.27ポイント(4.8%)安と、下落率は2009年2月以来最大を記録した。世界経済をめぐる懸念が世界的な株安を招いた。先進国と新興国の株式指標であるMSCIオールカントリー世界指数は同日、今年の高値から10%余り下落し、調整局面入りした。7日間の下落で世界の時価総額は4兆4000億ドル強失われている。

  モビアス執行会長は5日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「世界の大半で実質金利がマイナスの領域にある状況下では、株式の投資妙味はかなり高い」と述べた。

  ファーバー氏はブルームバーグテレビジョンの別のインタビューで、市場は「極端に売られ過ぎだ」と語った。ただ、株式相場が年内に高値を更新することは予想していないと付け加えた。

モビアス氏はテンプルトンが「特に関心を抱いている」市場として、タイ、ベトナム、インドネシアを挙げ、同国初の女性首相が誕生したタイを「リストのトップに位置付けている」と述べた。その上で、「新興諸国は先進国よりもずっと状況がよい。GDPや外貨準備高水準をみると、新興諸国は本当にうま味のある市場だ」と指摘した。

米資産家ロス氏:資産の購入続けている-市場下落は恐怖心が主因

8月9日(ブルームバーグ):米資産家で投資家のウィルバー・ロス氏は、世界の市場下落は経済の現状より恐怖心が主因になっているとし、資産を購入していることを明らかにした。

  投資会社WLロスを率いるロス氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、中国やインドなどの新興市場だけでなく日本やアイルランドでも向こう数年間のうちに魅力が証明される資産が数多くあり、現時点で投資家はこれらの資産を購入できると述べた。同氏は海洋石油輸送関連企業や米国のガス業界を支持している。

  ロス氏のほか、資産運用会社テンプルトン・アセット・マネジメントのエマージング・マーケッツ・グループのマーク・モビアス執行会長やニューズレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」の発行人で投資家のマーク・ファーバー氏も売られ過ぎの市場で好機を見いだしていると述べている。

  米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の長期格付けを引き下げ、投資家の間で悲観的な見方が強まった5日の前日の4日以降、MSCI世界指数は約7%下落している。

  ロス氏は「世界は本当にこれまでの48時間に10%か12%、15%も悪化しているだろうか。私はそうは思わない」と述べ、「株式を現時点の価格で購入すれば今後数年の間にそれが比類ないほど有益な経験であることが証明されるだろう」との見方を示した。

  ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は9日、ブルームバーグテレビジョンの別のインタビューでS&Pによる米国債の格下げについて「正しい判断」であり「非常に勇敢だ」と指摘。他の格付け会社もいずれ後に続く可能性が高いと述べた。

  WLロスは破綻企業の再建を専門とする。ロス氏(73)はロスチャイルドで企業の破綻関連業務を統括した後、2000年に同社を創業した。

               買いを継続

  ロス氏によると、WLロスは保有する企業や取引可能な企業を注視している。

  ロス氏は「5日に幾つか購入し、8日にもさらに購入した。ニューヨーク市場の取引が9日に再開すれば多分もっと購入するだろう。相場の下落局面で買い続けている」と述べた。同氏はロサンゼルスからインタビューに応じ、アジアでは9日に放映された。

  モビアス氏は5日、世界の市場が混乱する中で、新興市場の株式の投資妙味は高まっているとの認識を示した。ファーバー氏は8日、ブルームバーグテレビジョンで、株式市場は「信じ難いほど売られ過ぎとなっている」と指摘し、「8日または9日に底打ちし、上昇し始める可能性がかなり高い」と語った。

  ロス氏は、保有株式の価値が急激に低下したことから銀行からの追い証の請求に直面した投資家による「強制された不本意な売り」が市場の損失につながっていると指摘。原油相場が下落し失業率は高水準を維持しているため、米連邦準備制度理事会(FRB)がさらなる量的緩和を実施する「可能性は十分にありそうだ」と述べた。

マーク・ファーバー氏

8月19日
ニューズレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」の発行人で投資家のマーク・ファーバー氏は、ブルームバーグ・ラジオの番組で、来週26日にジャクソンホールで開催される経済シンポジウムの講演でバーナンキFRB議長は政策方針を発表する可能性があると述べた。ファーバー氏は、当局は国債購入を拡大するであろうとの見方を示した。

ファーバー氏:株式市場は「信じ難いほど売られ過ぎ」-相場上昇へ

8月8日(ブルームバーグ):ニューズレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」の発行人で投資家のマーク・ファーバー氏は8日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、株式市場は「信じ難いほど売られ過ぎとなっている」と指摘した。

  ファーバー氏は、株式相場が「8日または9日に底打ちし、上昇し始める公算がかなり大きい」と語った。

  先進国と新興国の株式指標であるMSCIオールカントリー世界指数は香港時間午前11時27分(日本時間午後0時27分)現在、前週末比0.3%安の306.11。昨年10月4日以来の安値を付ける流れにある。同指数は9営業日続落し、08年7月以来最長の下げを記録している。

中国のBYD:4-6月期は99%減益-税優遇措置の終了響く

8月22日(ブルームバーグ):資産家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが一部出資する中国の自動車メーカー、比亜迪(BYD)の4-6月(第2四半期)は前年同期比99%の減益となった。小型車向け税優遇措置の終了に伴い販売が減少した。

ブルームバーグがBYDの1-6月(上期)と1-3月(第1四半期)のデータに基づき算出した4-6月期の純利益は862万元(約1億400万円)。前年同期は7億1700万元だった。同社の22日の深圳証券取引所への届け出によると、1-6月期の利益は前年同期比89%減少し、2億7540万元となった。

  米ゼネラル・モーターズ(GM)やホンダなどの競合企業の新モデル投入に加え、中国政府が販売促進策を段階的に廃止し、渋滞解消のため購入制限を課したことが響き、BYD車の需要は鈍化した。深圳に本拠を置く同社の1-7月期の自動車販売台数は前年同期比23%減となり、中国全体の乗用車販売の同5.9%増を大きく下回った。

ロスチャイルド:英エルジン買収へ、欧州LBO融資3倍増に-関係者

8月22日(ブルームバーグ):欧州の老舗金融機関ロスチャイルドは、英資産運用会社エルジン・キャピタルを買収することで合意した。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。買収によりロスチャイルドが運用する欧州のレバレッジド・バイアウト(LBO)融資債権は現在の3倍の約20億ユーロ(約2200億円)になるという。

ロスチャイルドは、エルジンの従業員の大半を引き継ぐ。合意が非公開であることを理由に同関係者が匿名を条件に明らかにした。

2004年に参入したクレジットマネジメント事業で最大手のロスチャイルドは、同業他社が資金調達で苦戦しているのを尻目に、欧州事業を拡大することになる。ローン担保証券(CLO)投資の需要は、将来的な規制強化への懸念から縮小している。

ロスチャイルドの広報担当アレックス・シモンズ氏はコメントを控えた。



「Elgin Corporate Credit Fund」は、レバレッジド・ローン(融資先企業のキャッシュフローを担保とした貸し出し)で多額の損失を抱え、資産運用額が1月時点の約10億ドルから約3億ドルにまで急減した事態を受け清算が決まった。
エルジンの共同創業者であるマイク・クランシー(Mike Clancy)氏とギョーム・ボンパン(Guillaume Bonpun)氏が同ファンドの最終的な資産評価を行っており、評価完了後、残った資産を投資家に分配する計画。
同ファンド清算後のエルジンの主要ビジネスは、運用額25億ドルのCLO(ローン担保証券)とヘッジファンド、イベント・ドリブン戦略やスペシャル・シチュエーション戦略に特化したラップ口座となる。
米調査会社ヘッジファンド・リサーチによると、債券や企業の社債に投資するクレジット・ヘッジファンドの1-5月期のリターンは、マイナス2.8%と不振が続いている。
Dow Jones
29 Jun 2008 16:56 BST
Financial News: Elgin Closes Flagship Credit Hedge Fund