2011年4月15日金曜日

米権威が激白「原子炉データ悲惨!」 日米の数値に大きな開き…

2011.04.13
東京電力福島第1原発事故の“尺度”が「レベル7」に引き上げられ、「史上最悪」といわれるチェルノブイリ原発事故に並んだ。そのチェルノブイリ事故で米共同調査チームの代表を務め、今回緊急来日していたジョージア大学のチャム・ダラス教授が帰国前日の12日夜、夕刊フジの単独インタビューに応じた。ダラス教授は第1原発について「米軍やIAEA(国際原子力機関)が独自に収集した原子炉のデータは悲惨」と明かしたうえで、「ここ2、3週間が(安定化への)ヤマだ」と分析した。

 ――日本政府は12日、福島第1原発事故をそれまでの「レベル5」から、一気に「レベル7」に引き上げた

 「驚いた。放射性物質のデータなどが急上昇したのか、地震の影響を考慮したのか、もともとレベル7だったのか…。普通では考えられない」

 ――推定放出量こそ少ないが、第1原発の4つの原子炉にある放射性物質の量は、チェルノブイリを上回っている

 「その通りだ。第1原発にある放射性物質の総量は圧倒的に多い。ただ、チェルノブイリに比べると火が出た時間は少なく、推定放出量も10%ほどだ。もちろん、10%でもかなり多いのだが」

 《一気にレベルを2段階も引き上げたことについて、自民党の小池百合子総務会長は『(菅直人政権の)初動の遅れがレベルを上げてしまったのでは』と指摘し、みんなの党の渡辺喜美代表は『政府が事故を過小評価していたことがバレてしまった。菅政権の責任は重大だ』と批判した》

 ――12日朝、4号機の放水口近くにある海水のサンプリング建屋から一時、火が出た

 「バッテリーから漏電して燃えたもので、あまり影響はないだろう。むしろ私としては、1号機から3号機がレベル7で、4号機がレベル4という判断が理解できない。1-4号機が一緒でなければおかしい」

 ――来日直後、日本政府の情報提供に不満を漏らしていたが、十分な情報提供を得られたのか

 「日本政府や東京電力は相変わらず核心情報を出さない。私は今回、米軍やIAEAの独自情報を入手した。一般科学者は見られないもので、詳細は明かせないが、原子炉内や原子炉周辺のデータはかなり悪い。一言でいうと悲惨だ」

 《外交関係者によると、米軍と日本政府の放射線量などの数値が大きく食い違うため、米軍が困惑しているという。米国と日本の検査方法の違いとの見方もある。今後、米軍の協力を得る際の障害になりかねない》

 ――米国は退避基準(50マイル=80キロ圏外)を変えるのか?

 「現時点では、50マイルでいいだろう。ただ、大きな余震も続いており、地震の影響を考慮するなら、広げることも検討すべきかもしれない」

 ――ダラス教授は今回、都内各地で放射線量などを測定した

 「東京は基本的に安全だ。放射性物質は検出したが許容範囲といえる。ただ、放射性物質は下の方にたまるため、道路で寝るような人は注意した方がいい」

 ――放射性物質を含む汚染水の太平洋への放出はどうか

 「これは、かなり深刻だ。大気中への放射能汚染よりも、海洋汚染のほうを懸念している。地上できちんと保管する方法があるのに、どうして東電はやらなかったのか。科学的にも絶対にやらないほうがいい。私は同意できない」

 ――ロシアの原子力専門家は、日本の汚染水放出を「国際犯罪だ」と批判している。ダラス教授も「犯罪的」と思うか

 「その表現については分からない。汚染水放出は科学的にやるべきではない。未来の人たちのためにも」

 ――結局、滞在中に寿司は食べたのか?

 「食べていない。寿司は大好きだが、測定して『放射性物質を含んでいない』と結果が出ていないので」

 ――今後、日本人はどうすればいいのか?

 「第1原発は、ここ2、3週間が安定化できるかどうかのヤマだろう。ニュースには注意したほうがいいが、東京周辺の人たちは、美しい桜を見に(外に)出かけてもかまわないだろう」

 【Cham Dallas】1953年、米テキサス生まれ。テキサス大卒。毒物学、生物学を専門とする科学者。ジョージア大学教授で、大量破壊防衛研究所所長。86年のチェルノブイリ原発事故の3年後の89年から99年まで、米政府とジョージア大の現地共同調査チームを率いた。CBSのニュース解説員も務める。先週、米医師会の医療災害サポートチーム団長として来日し、13日に帰国。ゴールデンウイーク明けに再来日する予定。

ゴールドマンは顧客と議会欺いた、CEOら偽証など捜査を-上院調査

4月14日(ブルームバーグ):金融危機の原因について2年にわたり調査してきた米上院常設調査小委員会のカール・レビン委員長(民主、ミシガン州)は、ゴールドマン・サックス・グループが住宅市場関連の証券で顧客と議会を欺いたと主張した。

  640ページから成る調査報告を13日に公表した同委員長は、米司法省と米証券取引委員会(SEC)がゴールドマンの行為の違法性について捜査、検証するよう求めた。債務担保証券(CDO)を販売する際、同証券の価値下落が自社の利益となることを買い手に対し明らかにしなかったことが法に抵触する可能性を指摘した。

  同委員長はさらに、ロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)を含め昨年議会証言したゴールドマンの現・元幹部の偽証罪の可能性についても連邦検察当局が捜査するべきだと主張した。自社の利益のみを目的に住宅ローン関連証券についてショートポジションを組んだ事実を否定したのは真実でなかったと論じた。

  報告は2008年の危機の責任の大半が、住宅市場関連の金融商品を組成・販売しそれによって利益を得た金融機関にあると結論付けた。中でも投資銀行のゴールドマンとドイツの銀行最大手、ドイツ銀行が、高リスクのローンを裏付けとしたCDOを販売したと論じた。両社のトレーダーらはそれらの証券の価値下落を予想していたと非難した。

公式見解

  ゴールドマンはコメントを出し、他者を欺く事業活動があったことを否定。ドイツ銀の広報担当、ミシェル・アリソン氏も文書で、上院報告が「示した通り、米住宅市場については行内でもさまざまな見解があった」とし、「一部の弱気な見方にもかかわらず、ドイツ銀は住宅市場に関しロングのポジションを組み、相当の損失も被った」と説明した。

  報告はまた、危機の原因として格付け会社の役割や監督当局の怠慢、バブル期の融資基準の低下などを検証した。

  常設調査小委のこの報告は、2007年に始まった今回の危機についての最後の公式見解となる見込み。ゴールドマンなど各社の内部文書を添付した報告は、他の調査よりも影響力を持つ可能性もある。ただ、司法省とSECが報告に基づき捜査を開始するかどうかは不明。

レビン委員長は単独で捜査を要求することはできないが、トム・コバーン上院議員(共和、オクラホマ州)の支持を得て常設調査小委として捜査を求める正式手続きを取ることができる。

飯館村の放射能レベル「人住めない」 京大が衝撃データ発表

2011.04.15
「計画退避」に揺れる福島県飯館村に衝撃的なデータが突き付けられた。13日に開かれた国会での報告会で、京大原子炉実験所の今中哲二助教らが飯館村は、放射線被害で人が住むのに適したレベルではないなどと発表したのだ。

 今中助教によると、同村南部の曲田地区で、毎時10マイクロシーベルトを超える放射線を確認。3月15日からの積算被曝量は95ミリシーベルトに到達し、3カ月居続けた場合は100ミリシーベルトに達するという。

 原子力安全委員会の指針では、10~50ミリシーベルトで屋内退避、50ミリシーベルト以上では「コンクリート建屋の屋内退避か避難」とされているため、「人が住むのに適したレベルではない」との見解を示したようだ。

 1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故では、高汚染地域の住民が平均50ミリシーベルト、汚染地域の住民が同10ミリシーベルト被曝したとされており、これと比較しても「重大な汚染状況になっていることは確か」としている。

 一方、福島第1原発で作業にあたる関係者の被曝も深刻だったことが分かった。

 東電では、累積被曝量が最大の198・24ミリシーベルトに達した作業員について、ベントの担当する同社の社員であると公表。保安院や東電によると、従来の上限100ミリシーベルトを超えた作業員は13日までに28人で東電社員は25人。注水やベント、タービン建屋などの放射線量測定の従事者という。

ゴールドマン、向こう3─6カ月間の商品のアンダーウエート推奨

[シンガポール 15日 ロイター] ゴールドマン・サックスは15日、向こう3─6カ月間、商品(コモディティー)をアンダーウエートにすることを投資家に推奨した。
 原油価格は、現在の需給では正当化できない高値にあると指摘している。

 同社は11日にも同様の見解を示していた。 

 今後12カ月間については、引き続きオーバーウエートを推奨している。来年にかけてファンダメンタルズが引き締まる見通しという。

 同社は15日付のリポートで「需要減退につながるような原油高がさらに進まない限り、需要の伸びが供給の伸びを上回る状態が続き、来年にかけ、在庫とOPECの余剰生産能力が大幅に減少する見通しだ。リビアの混乱が長引けば、減少が早まる」と指摘した。



米ゴールドマン:商品価格、向こう3-6カ月の間に下落の可能性

4月15日(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループは、原油と金、銅の価格が向こう3-6カ月の間に下落する可能性があるとして、商品の持ち高を減らすことを勧めた。
  アリソン・ネーサン氏やジェフリー・カリー氏ら同行アナリストは15日に電子メールを通じて発表したリポートで、原油相場について「需給が現在示唆している水準を超えて上昇してきており、今後数カ月で大幅な調整局面を迎える公算が大きい」と指摘した。
  また銅などの非鉄金属は、日本の震災後の消費減少で「上値が限られている」との見方を示した。金価格については、ゴールドマンの短期的な目標水準に近づいていると説明した。

NY大ルービニ教授:ギリシャは債務再編へ-スペインも続く恐れ

4月15日(ブルームバーグ):世界金融危機を予測したことで知られる米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は15日、ギリシャの債務再編は時間の問題だと述べ、スペインも近いうちにこれに続く可能性があるとの見方を示した。

  同教授はカザフスタンのアルマトイでの会議で、「ギリシャについては、債務を再編するかしないかではなく、いつするかという問題だ」と言明、「同様のことがポルトガル政府やアイルランドの銀行についても言える」と続けた。

  ギリシャは昨年、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による救済を受けた。同国とアイルランドに続いてポルトガルが今月支援を要請し、EUはポルトガル向け支援パッケージで5月16日に合意することを目指している。スペインは国内貯蓄銀行業界の再編に取り組んでいる。

  ルービニ教授は、「ギリシャが倒れたとき、人々はポルトガルは違うと言った」とし、「今はスペインは違うと言っているが、私にはスペインが違うという確信がない」と語った。

  同教授はまた、欧州の一部の国は「支払い不能の状態にあるかもしれない」ものの、ユーロ崩壊は避けられる公算だとの見方も示した。

2011年4月10日日曜日

4月8日の米国マーケットサマリー:ドル下落、米予算協議こう着

4月8日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

◎外国為替市場

  ニューヨーク外国為替市場では、ドルがほとんどの主要通貨に対して下落。米議会が予算協議で合意に至っていないことから、政府機関が閉鎖される可能性が高まっている。世界的な成長の兆しも、逃避通貨とされるドルの需要減退につながった。

  ユーロはドルに対して一時ほぼ1年3カ月ぶりの高値に達した。ドイツの輸出が5カ月ぶりの大幅な伸びを示したことを手掛かりに、欧州当局がインフレ抑制に向け一段の利上げを実施するとの見方が強まった。米連邦公開市場委員会(FOMC)がほかの中央銀行に利上げで後れを取るとの観測もドル売りの材料。原材料価格が上昇するなか、オーストラリア・ドルなどの資源国通貨は値上がりした。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)の米州G10通貨戦略責任者、パレシュ・ウパダヤ氏は、「この日のドル下落の主因は、連邦政府機関閉鎖への懸念だ」と述べた。

  ニューヨーク時間午後2時21分現在、ドルはユーロに対して前日比0.9%安の1ユーロ=1.4440ドル。週間では1.4%下落。ユーロは対ドルで一時1.4444ドルと、昨年1月以来の高値を付けた。円はユーロに対して0.8%安の122円42銭。一時は昨年5月以来の安値となる場面もあった。円はドルに対して0.2%高の84円78銭。

◎金先物市場

  ニューヨーク金先物相場は4日連続で最高値を更新した。ドルが下落したため、インフレヘッジおよび代替資産としての需要が膨らんだ。銀はオンス当たり40ドルを上回り、31年ぶり高値を更新した。

  金は一時1476.20ドルまで上昇し、最高値を記録した。主要通貨に対するドル指数が2009年12月以来の低水準に下げたことが買いを誘った。原油は2年半ぶりの高値。欧州中央銀行(ECB)は前日にインフレ加速を阻止するため、政策金利を過去最低水準から引き上げた。

  フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシュ氏(シカゴ在勤)は「連邦公開市場委員会(FOMC)はECBのようなインフレ対策に向かうには程遠い。金の動きはドルの弱さを反映している」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6月限は前日比14.80ドル(1%)高の1オンス=1474.10ドルで終了した。週間では3.2%高と、昨年5月以来の大幅上昇。

  銀5月限は1.056ドル(2.7%)高の40.608ドルで終えた。