2011年3月18日金曜日

大阪のホテルに予約殺到、外資系幹部の避難用か

東日本で東京電力による計画停電が始まり、被災した福島第一原子力発電所から放射性物質が飛散する可能性が高まって以来、首都圏の企業が大阪市内のホテルをまとめて予約する動きが出ている。


 実際に宿泊するのは一部にとどまっているようだが、予約で満室になるホテルも多い。特に、外資系企業が幹部を避難させたり、大阪での業務の比重を増やしたりするのに利用する例が多いようだ。

 スイスホテル南海大阪(大阪市中央区、548室)では、14日から宿泊の予約が増え始め、20日までほぼ満室だ。外資系企業の日本法人などが、社員やその家族のために複数の客室を予約するケースが多く、60室を2週間予約した企業もある。

 ホテルグランヴィア大阪(同市北区、648室)も週末まで全室が予約で埋まっている。20~30室を長期で取るケースが多い。東電の計画停電で業務が滞ることへの懸念が強いのか、「大阪に大規模な拠点を持たない企業の利用が目立つ」(ホテルグランヴィア大阪)という。ホテル阪急インターナショナル(同、168室)も今週いっぱい満室で、市内最大規模の973室を持つリーガロイヤルホテル(同)も長期宿泊に関する問い合わせが増えているという。

 あるホテルの担当者は「特に外資系企業は、放射性物質の飛散への警戒感が強いのか、本国からの指示で予約しているケースも多そうだ」と話している。

(2011年3月18日15時51分 読売新聞)

東京都内の環境放射線測定結果の状況-3月18日

3月18日(ブルームバーグ):東京都健康安全研究センターが発表した都内での環境放射線測定結果の詳細は以下の通り。測定場所は新宿区百人町。単位はマイクログレイ/時。胸部レントゲンの放射線量は約50マイクログレイ。



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測定時間 線量率 線量率 線量率
最大値 最小値 平均値
====================================================================
---------------------- 2011年3月18日 -------------------------
16:00 ~ 16:59 0.0500 0.0461 0.0481
15:00 ~ 15:59 0.0502 0.0457 0.0481
14:00 ~ 14:59 0.0506 0.0457 0.0484
13:00 ~ 13:59 0.0509 0.0464 0.0486
12:00 ~ 12:59 0.0507 0.0466 0.0485
11:00 ~ 11:59 0.0515 0.0454 0.0485
10:00 ~ 10:59 0.0509 0.0455 0.0483
09:00 ~ 09:59 0.0506 0.0466 0.0486
====================================================================
測定時間 線量率 線量率 線量率
最大値 最小値 平均値
====================================================================
08:00 ~ 08:59 0.0518 0.0465 0.0489
07:00 ~ 07:59 0.0513 0.0468 0.0493
06:00 ~ 06:59 0.0508 0.0464 0.0489
05:00 ~ 05:59 0.0515 0.0468 0.0490
04:00 ~ 04:59 0.0523 0.0464 0.0489
03:00 ~ 03:59 0.0524 0.0464 0.0496
02:00 ~ 02:59 0.0523 0.0471 0.0493
01:00 ~ 01:59 0.0520 0.0474 0.0498
00:00 ~ 00:59 0.0530 0.0474 0.0500
---------------------- 2011年3月17日 -------------------------
23:00 ~ 23:59 0.0523 0.0460 0.0497
22:00 ~ 22:59 0.0525 0.0480 0.0500
21:00 ~ 21:59 0.0525 0.0473 0.0497
20:00 ~ 20:59 0.0523 0.0478 0.0498
19:00 ~ 19:59 0.0537 0.0472 0.0499
18:00 ~ 18:59 0.0520 0.0475 0.0501
17:00 ~ 17:59 0.0524 0.0475 0.0498
====================================================================
測定時間 線量率 線量率 線量率
最大値 最小値 平均値
====================================================================
16:00 ~ 16:59 0.0523 0.0478 0.0502
15:00 ~ 15:59 0.0526 0.0488 0.0503
14:00 ~ 14:59 0.0526 0.0488 0.0506
13:00 ~ 13:59 0.0545 0.0486 0.0507
12:00 ~ 12:59 0.0533 0.0486 0.0508
11:00 ~ 11:59 0.0532 0.0489 0.0511
10:00 ~ 10:59 0.0544 0.0489 0.0514
09:00 ~ 09:59 0.0538 0.0485 0.0515
08:00 ~ 08:59 0.0551 0.0489 0.0516
07:00 ~ 07:59 0.0539 0.0498 0.0520
06:00 ~ 06:59 0.0549 0.0498 0.0519
05:00 ~ 05:59 0.0544 0.0497 0.0521
04:00 ~ 04:59 0.0555 0.0490 0.0523
03:00 ~ 03:59 0.0551 0.0499 0.0523
02:00 ~ 02:59 0.0549 0.0500 0.0524
01:00 ~ 01:59 0.0557 0.0501 0.0526
00:00 ~ 00:59 0.0562 0.0503 0.0530
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測定時間 線量率 線量率 線量率
最大値 最小値 平均値
====================================================================
---------------------- 2011年3月16日 -------------------------
23:00 ~ 23:59 0.0553 0.0499 0.0529
22:00 ~ 22:59 0.0558 0.0508 0.0532
21:00 ~ 21:59 0.0569 0.0506 0.0532
20:00 ~ 20:59 0.0555 0.0511 0.0532
19:00 ~ 19:59 0.0565 0.0509 0.0533
18:00 ~ 18:59 0.0562 0.0507 0.0532
17:00 ~ 17:59 0.0572 0.0504 0.0534
16:00 ~ 16:59 0.0575 0.0517 0.0539
15:00 ~ 15:59 0.0570 0.0520 0.0542
14:00 ~ 14:59 0.0569 0.0513 0.0541
13:00 ~ 13:59 0.0569 0.0529 0.0547
12:00 ~ 12:59 0.0654 0.0530 0.0562
11:00 ~ 11:59 0.0632 0.0537 0.0565
10:00 ~ 10:59 0.0702 0.0546 0.0582
09:00 ~ 09:59 0.0870 0.0555 0.0688
08:00 ~ 08:59 0.1030 0.0693 0.0891
====================================================================
測定時間 線量率 線量率 線量率
最大値 最小値 平均値
====================================================================
07:00 ~ 07:59 0.1100 0.0975 0.1040
06:00 ~ 06:59 0.1610 0.1110 0.1420
05:00 ~ 05:59 0.1600 0.1280 0.1430
04:00 ~ 04:59 0.1510 0.1240 0.1410
03:00 ~ 03:59 0.1260 0.0845 0.1010
02:00 ~ 02:59 0.0951 0.0589 0.0672
01:00 ~ 01:59 0.0607 0.0506 0.0547
00:00 ~ 00:59 0.0599 0.0514 0.0538
---------------------- 2011年3月15日 -------------------------
23:00 ~ 23:59 0.0599 0.0530 0.0556
22:00 ~ 22:59 0.0763 0.0575 0.0657
21:00 ~ 21:59 0.0980 0.0761 0.0888
20:00 ~ 20:59 0.1680 0.0955 0.1230
19:00 ~ 19:59 0.4580 0.1650 0.3610
18:00 ~ 18:59 0.3200 0.1130 0.2000
17:00 ~ 17:59 0.1570 0.0669 0.0941
16:00 ~ 16:59 0.0749 0.0646 0.0682
====================================================================
測定時間 線量率 線量率 線量率
最大値 最小値 平均値
====================================================================
15:00 ~ 15:59 0.0715 0.0646 0.0682
14:00 ~ 14:59 0.0752 0.0681 0.0716
13:00 ~ 13:59 0.0722 0.0624 0.0658
12:00 ~ 12:59 0.0777 0.0663 0.0713
11:00 ~ 11:59 0.1510 0.0781 0.1060
10:00 ~ 10:59 0.8090 0.1600 0.4960
09:00 ~ 09:59 0.4650 0.1220 0.2020
08:00 ~ 08:59 0.1230 0.0403 0.0573
07:00 ~ 07:59 0.0507 0.0412 0.0453
06:00 ~ 06:59 0.0576 0.0438 0.0495
05:00 ~ 05:59 0.1120 0.0562 0.0875
04:00 ~ 04:59 0.1470 0.0360 0.1000
03:00 ~ 03:59 0.0384 0.0319 0.0347
02:00 ~ 02:59 0.0373 0.0318 0.0345
01:00 ~ 01:59 0.0372 0.0329 0.0347
00:00 ~ 00:59 0.0367 0.0322 0.0345
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測定時間 線量率 線量率 線量率
最大値 最小値 平均値
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出所:東京都健康安全研究センター

米政府:チャーター機で米国民の日本からの移送を開始-原発危機

 3月18日(ブルームバーグ):米政府は自国の軍関係者や外交官の家族ら米国民の日本からの移送を開始した。東日本大震災により損傷した福島の原子力発電所では、自衛隊などによる放水作業など危機封じ込めの取り組みが続いている。

  米国のほか英国とオーストラリアが、日本の原発事故に関する警戒レベルを引き上げ、同原発の周囲80キロ内の地域から退避することを自国民に勧告した。英ブリティッシュ・エアウェイズは東京から乗務員らを引き揚げた。

  香港当局は東京在住の同区民に帰国または日本の西部への移動を促した。17日遅くにウェブサイトに掲載された文書によると、当局は成田空港からの追加便を手配している。

  米政府は職員の家族を含めた97人の米国民を日本から台湾に移送したと、米国在台湾協会のシーラ・パスクマン氏が明らかにした。18日中にもう1機が台湾またはソウルに向けて出発すると、同氏が台北からの電話インタビューで述べた。

  仏銀ソシエテ・ジェネラルは日本駐在の外国人と家族が希望する場合、出国を支援するとともに日本人従業員には在宅または別の場所からの勤務を認めているという。

  厚木の米軍基地で教師を務めるキース・キャッシュ氏は「まだ余震がある上に停電があり、放射能の懸念もある」として、これら全てを踏まえると家族を帰国させることを決めざるを得なかったと説明した。

  米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は17日、ワシントンで記者団に、事態の収拾には数週間かかる可能性があると語った。ケネディ米国務次官によると、米政府は仙台周辺から移動する米国民のためバス14台もチャーターした。

  英外務省のウェブサイトによると、同国政府も自国民を香港に移送するため航空機をチャーターする。

  オーストラリアは自国民に必須の要員を除いて本州の北部と東京から離れることを呼び掛けた。フランスとドイツ、中国などは出国を促している。

  放射能汚染への懸念はアジアに広がり、中国では被ばくに対する防護効果があるとされる塩が売り切れた。

日本が復興費調達で米国債売る公算は低い-モルガンSのキャロン氏

3月17日(ブルームバーグ):米モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者ジェームズ・キャロン氏は、東日本大震災後の復興費を調達するために日本が米国債を売る可能性は低いと見方を示した。

キャロン氏はブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、日本銀行や日本の保険会社が、保有している8859億ドル相当の米国債を売却すると考えるのは「当然だろう」と述べた上で、「当社は実際にそれが起きるとは考えていない」と指摘した。

キャロン氏によると、日本は1995年の阪神淡路大震災後も米国債は売却しなかった。同氏は、一部投資家は日本の保険会社が補償金を調達するために米国債を売る必要があるとの観測を示しているが、実際は保険料収入から支払われる可能性が高いと述べた。

円が急落、G7が協調介入合意-過度の円高に対応、対ドル81円台後半

3月18日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が急落し、対ドルでは約3円、円安が進んだ。前日の円急騰を受け、主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議は同日朝の緊急電話会議で、円高阻止に向けた協調介入で合意。東京市場では午前9時に円売り・ドル買い介入が実施された。

  円は対ドルで一時1ドル=81円89銭と3営業日ぶりの水準へ大幅下落。東日本大震災や原発事故への懸念を背景に17日には一時、戦後最高値となる76円25銭まで急騰していた。前日のニューヨーク時間終値は78円89銭だった。

  外為どっとコム総合研究所の植野大作主席研究員は、G7の協調介入合意により「投機色の強い円高圧力は当面封印される可能性が高くなった」と指摘。「今後はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)注視という形になってくる」とし、円の下落基調が続くかどうかは原発事故の行方と「米国景気の回復感が今後強化されてくるかどうか」次第との見方を示した。

  ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨すべてに対して前日終値から下落。大震災が発生した11日以降、対ドルでは6円以上円高が進んでいた。

          G7、協調介入で合意

  G7は18日午前に緊急の電話会議を開き、過度な円高に対応するため、円売りの協調介入を実施することで合意した。野田佳彦財務相が会議後に記者団に明らかにした。

  同時に発表されたG7声明は「日本当局からの要請に基づき」、米英カナダ、欧州中央銀行は18日に「日本とともに為替市場における協調介入に参加する」と言明。「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは経済および金融の安定に悪影響を与える」と指摘し、「われわれは為替市場をよく注視し、適切に協力する」としている。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明統括マネージャーは、「為替相場に対してどのようなイメージをもって介入しているかは別として、メッセージは究極の強さだ」と指摘。「これで円高の動きも止められるのではないか。このまま85円をすぐにトライするかは現時点では分からないが、元のレンジに戻るのではないか。今後の当局の動向に注意したい」と語った。

  G7による協調介入は、1999年1月のユーロ誕生後のユーロ安を受け、2000年9月にユーロ買い介入を実施して以来となる。

         円売り介入、ユーロ対象も

  野田佳彦財務相は18日午前の閣議後会見で、G7が合意した協調介入について、場合によってはユーロが対象になる可能性があると述べた。

  ユーロ・円相場は1ユーロ=110円台半ばから一時、今月7日以来の水準となる115円27銭までユーロ高・円安が進行。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.4000ドル前後から一時、1.4088ドルと昨年11月5日以来のユーロ高値を付けた。

  日本銀行の白川方明総裁は「日銀は為替市場におけるG7各国との協調行動が為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待している。日銀としては、強力な金融緩和を推進するとともに、金融市場の安定を確保するため、今後とも潤沢な資金供給を行っていく方針である」との声明を公表した。

  クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクターの斎藤裕司氏は「容認どころか協調介入なので、海外市場まで介入が入る可能性がある」と指摘。「介入額は過去最高になる可能性もあるだろう」と語った。

G7が協調介入実施で合意-大震災後の円急騰で緊急電話会議

3月18日(ブルームバーグ):主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議による緊急電話会議が18日午前7時から行われ、G7が為替市場で円売り・ドル買いの協調介入を実施することで合意した。野田佳彦財務相が会議後記者団に明らかにするとともに、G7声明も発表された。介入は東京外国為替市場で午前9時に実施した。

  今回の緊急電話会議は、11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を受けて円相場が戦後最高値を更新するなど、金融市場が不安定になっていることに対応するもの。G7声明は「日本当局からの要請に基づき」、米英カナダ、欧州中央銀行は18日に「日本とともに為替市場における協調介入に参加する」と言明した。

  声明は「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは経済および金融の安定に悪影響を与える」と指摘。「われわれは為替市場をよく注視し、適切に協力する」としている。

  G7声明はまた、「日本における最近の劇的な出来事を議論」するとともに、日本当局から「現在の状況、当局がとった経済・金融面での対応について説明を受けた」と述べた。その上で、「困難な時における日本の人々との連帯意識、必要とされるいかなる協力も提供する用意がある」などとしている。

  野田財務相は会議後の会見で、「困難な状況にもかかわらず日本経済は引き続き健全だ」と述べた上で、震災後の円の急伸を受け「日本当局からの要請に基づき、米国、英国、カナダ、欧州中央銀行(ECB)は本日、日本とともに為替市場における協調介入に参加することで合意した」と説明した。

            ユーロ買い介入も

  介入実施後の同日午前の閣議後会見で、野田財務相は為替市場での「過度な変動、無秩序な動きに対する対応策ということで引き続き取り組んでいく」と述べ、相場動向を見ながら継続的に介入を実施する方針を示した。介入の対象通貨については「基本的にはドル・円だが、ECBはユーロをやるかもしれない」と述べ、ECBによる円売り・ユーロ買い介入の可能性を示唆した。

  野田財務相はまた、G7各国が協調介入に同意した背景について「日本が市場における過度な変動、無秩序な動きについてG7各国に理解を求め、認識を共有した」と説明。各国が日本経済を支える強い意志を持ち、躊躇(ちゅうちょ)することなく日本の要請を引き受けてくれたとし、「日本に協力したいという思いがG7各国にあった。友情ある協調だ。感謝したい」と語った。

  一方で、円高の要因の1つとして指摘されていた日本企業や投資家による外貨資産の円転換などのレパトリエーション(自国への資金回帰)の動きについては、「日本企業が円資金を確保するため、海外資産を売却するようなことはない」とG7各国に説明したことを明らかにした。

潤沢な資金供給

  一方、日本銀行の白川方明総裁は電話会議後の会見で「日銀は為替市場におけるG7各国との協調行動が為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待している。日銀としては、強力な金融緩和を推進するとともに、金融市場の安定を確保するため、今後とも潤沢な資金供給を行っていく方針である」との声明を公表した。

  今回の大震災では、被災地にある東京電力福島第1原発の放射能漏れ懸念の広がりが金融市場に大きな影響を及ぼしている。 円相場は17日早朝の外国為替市場で急騰し、これまでの戦後最高値だった1995年4月の1ドル=79円75銭を突破した。18日午前の東京市場では午前9時55分現在1ドル=81円28銭前後で推移。野田財務相の会見直前の午前8時55分現在は同79円45銭前後だった。

  G7による協調介入は、1999年1月のユーロ誕生後のユーロ安を受け、2000年9月にユーロ買い介入を実施して以来となる。

  みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストはG7の協調介入合意について、「日本大震災と原発事故が世界的なリスクとして認識されて、協調態勢ということが合意に至りやすかった」と指摘する一方、「原発事故の状態がどうなるかまだ予断を許さないが、少なくとも放水活動などでさらに悪化するとの懸念は一服している」との見方を示した。

            震災の経済への影響

  日本経済は、昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP)に前期比年率1.3%減と5期ぶりのマイナスとなったが、今年1-3月期成長率はプラスに復帰すると、震災発生前に多くのエコノミストはみていた。政府も2月の月例経済報告で「景気は持ち直しに向けた動きがみられ、足踏み状態を脱しつつある」として、判断を2カ月連続で上方修正した。

  しかし、震災による日本経済への影響は甚大とみられており、とりわけ急激な円高は輸出企業を中心に企業収益を圧迫し、足踏み状態から脱しつつある景気を懸念する声も出ている。

  日本銀行の白川方明総裁は14日の会見で、「今回の地震は観測史上最大規模であり、その被害は地理的に広範囲に及んでいる」と指摘。「家計や企業マインドの悪化が意識される」との認識を示していた。

【コラム】1988年に私が想定した大震災、そして今の大震災-Mルイス

3月18日(ブルームバーグ):1988年。私はウォール街での仕事を辞め、文筆業で生計を立てることにした。取材旅行先に関して記事が書けることを雑誌編集者たちに納得させさえすれば、どこに行っても出張費を出してくれることにわくわくした私は、どこに行きたいかを考え始めた。まず最初に行きたいと思ったのは日本だった。

  そこで私は、もし東京が大地震に見舞われて壊滅したら世界で何が起きるかという記事を編集者に提案した。もちろん私には、東京が地震で崩壊したら何が起きるかなんて分からなかったし、その手掛かりすらなかった。しかし編集者という人間は信じられないほど寛容で、その一人に私は東京に数週間行かせてくれと頼んでみた。そうしたら実現してしまった。

  だが、筆一本で食べていく人生に伴う問題に私はすぐ気が付いた。つまりどこかの時点でお話を書く必要があるということだ。このために有給休暇のつもりだった東京への取材旅行はほどなくして、自分にとっても不合理に思えた疑問に対する答えを必死に探す旅となってしまった。その問いとは、この新しい世界の金融センターが壊滅したら、何が起きるかというものだった。

  私はラッキーだった。日本の政府や金融界にもこの壮大な疑問に答えようとし始めている人たちがいたからだ。旧国土庁に所属していた尾田栄章氏はちょうど、1923年に東京を襲った大震災同様の地震が来たと仮定した研究を終えたばかりだった。(1853年や1782年、1703年などにも大地震が起きている。)

  尾田氏は、地震発生の時間や天候など、さまざまなシナリオに基づいて人命や建物が被る損失を試算した。同氏のリポートを用い、東海銀行に勤務していた日本人エコノミストも地震が経済に与える影響度合いを計算した。

           15万2000人死亡か

  両氏の試算はいずれも衝撃的な数字だった。尾田氏が最もあり得るとするシナリオでは、15万2000人が死亡し、80万棟のビルが倒壊、物的被害は約1兆ドル(約79兆円)。東海銀のエコノミストは金利水準が5ポイント上昇、経済成長が急激に落ちて資産価格が急落すると予想した。しかもこれらすべてが米国で起きると指摘した。

  それがこうした頭の体操から導き出された構図だった。つまり、大地震が来たら日本で多くの人命が失われる一方、復興に向けた海外資産売却によって金融面の痛みは外国が負うというものだ。

  自然災害の高いリスクと常に隣り合わせで生きていかねばならない国にはかなりの災害保険の備えができているが、その保険の売り手はわれわれ外国だということだった。

  当時の研究にはもっと多くの詳細が盛り込まれていたが、ここで全てを振り返るつもりはない。ただ、23年前に想定されたことを実際に現在起きていることと比較するのは興味深い。

ギャップ

  想定されたものと東京が実際に経験した地震は別物だ。本物は東京にかすかな打撃を与えたにすぎない。金融損失額も、今のところは1兆ドルといった数字ではないようだ。ただ1988年当時、原子力発電所で事故が起きるとは誰も思っていなかった。

  今回の地震に対する金融市場の反応もせいぜいが、1988年当時に考えられたシナリオに近いという程度だ。想定では日本政府や民間保険会社が円を確保するためにありとあらゆる外貨建て資産を売り、円が急上昇するというものだった。そして、現実に円は上がっている。しかし、巨額の刺激策と輝ける経済の将来を期待して買われると当時思われていた日本株は、ひどく急落している。

  想定と現実が違ったのには理由がある。市場は1988年ほど、日本経済の将来に期待していない。想定シナリオから派生する金融絡みの最も大きな唯一の疑問点は、日本が資金回帰させたいと考えた場合に米国がどれほどの影響を受けるのかという点だった。今はこれにもう一つの疑問が加わる。それは、日本が資金回帰させたいだけではなく、実際にそうすることが必要になった場合、日本にどれだけ混乱が起きるのかということだ。

             日本の変化

  この疑問こそが、現実と想定の比較から湧いてくるものだ。当時と現在ではいかに状況が変わってしまったかの表れでもある。1988年の日本は高い貯蓄率や巨額の貿易黒字を抱え、経済と株式市場も活況で、日本が立ち直ることは明らかだった。けれども現在の日本はほとんど絶望を感じる状況だ。

  日本の国内総生産(GDP)に対する債務割合は225%超と、先進国中で最大でギリシャのほぼ2倍。政府は依然として約9000億ドルの米国債を保有しているが、国民から巨額に借り入れ、その一部を米国債購入に充ててきた。人口は高齢化して減少し、貯蓄も減る。これまで日本国債の最大の買い手だった公的年金も、最近は売り手に回った。

  日本がいずれデフォルト(債務不履行)ないし債務再編を迫られるとみていた米ヘッジファンドのヘイマン・アドバイザーズは、3ポイントの金利上昇で、元利払いだけで全ての税収を日本政府が使い切ってしまうと試算している。

           資源豊かだった日本

  地震が起きる前の状況で既に、日本には恐らく多くの外国人に国債を買ってもらう必要があった。そうした外国人は日本の公的年金がよしとする水準をはるかに超える水準の金利を要求するだろうし、実際に上がった。

  1988年の日本には、震災に伴うはるかに高いコストをカバーできる資源があった。当時の大きな疑問は、日本資本への依存が高まりつつあった人々に与える金融の影響だった。

  金融界は落ち着かなくなり、日米間の状況は持続不可能に思えた。だからこそ、米国の雑誌編集者は東京に大地震が来た場合の影響に関心を持ったのだ。今や、日本人自体が実質的に破綻したシステムを維持しようとピリピリしている。

  1988年を振り返ると、金融の世界は最悪の事態を想定する人間にとって脆弱(ぜいじゃく)で不安定に思えたものだが、今日の世界において、安定性はさらに損なわれ、一段と脆弱になったように見える。しかも最悪の事態はまだ起きていない。(マイケル・ルイス)

(マイケル・ルイス氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストで、最新作の「The Big Short」はベストセラー。このコラムの内容は同氏自身の見解です)