8月22日(ブルームバーグ):欧州の老舗金融機関ロスチャイルドは、英資産運用会社エルジン・キャピタルを買収することで合意した。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。買収によりロスチャイルドが運用する欧州のレバレッジド・バイアウト(LBO)融資債権は現在の3倍の約20億ユーロ(約2200億円)になるという。
ロスチャイルドは、エルジンの従業員の大半を引き継ぐ。合意が非公開であることを理由に同関係者が匿名を条件に明らかにした。
2004年に参入したクレジットマネジメント事業で最大手のロスチャイルドは、同業他社が資金調達で苦戦しているのを尻目に、欧州事業を拡大することになる。ローン担保証券(CLO)投資の需要は、将来的な規制強化への懸念から縮小している。
ロスチャイルドの広報担当アレックス・シモンズ氏はコメントを控えた。
「Elgin Corporate Credit Fund」は、レバレッジド・ローン(融資先企業のキャッシュフローを担保とした貸し出し)で多額の損失を抱え、資産運用額が1月時点の約10億ドルから約3億ドルにまで急減した事態を受け清算が決まった。
エルジンの共同創業者であるマイク・クランシー(Mike Clancy)氏とギョーム・ボンパン(Guillaume Bonpun)氏が同ファンドの最終的な資産評価を行っており、評価完了後、残った資産を投資家に分配する計画。
同ファンド清算後のエルジンの主要ビジネスは、運用額25億ドルのCLO(ローン担保証券)とヘッジファンド、イベント・ドリブン戦略やスペシャル・シチュエーション戦略に特化したラップ口座となる。
米調査会社ヘッジファンド・リサーチによると、債券や企業の社債に投資するクレジット・ヘッジファンドの1-5月期のリターンは、マイナス2.8%と不振が続いている。
Dow Jones
29 Jun 2008 16:56 BST
Financial News: Elgin Closes Flagship Credit Hedge Fund
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