2011年4月10日日曜日

4月8日の米国マーケットサマリー:ドル下落、米予算協議こう着

4月8日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

◎外国為替市場

  ニューヨーク外国為替市場では、ドルがほとんどの主要通貨に対して下落。米議会が予算協議で合意に至っていないことから、政府機関が閉鎖される可能性が高まっている。世界的な成長の兆しも、逃避通貨とされるドルの需要減退につながった。

  ユーロはドルに対して一時ほぼ1年3カ月ぶりの高値に達した。ドイツの輸出が5カ月ぶりの大幅な伸びを示したことを手掛かりに、欧州当局がインフレ抑制に向け一段の利上げを実施するとの見方が強まった。米連邦公開市場委員会(FOMC)がほかの中央銀行に利上げで後れを取るとの観測もドル売りの材料。原材料価格が上昇するなか、オーストラリア・ドルなどの資源国通貨は値上がりした。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)の米州G10通貨戦略責任者、パレシュ・ウパダヤ氏は、「この日のドル下落の主因は、連邦政府機関閉鎖への懸念だ」と述べた。

  ニューヨーク時間午後2時21分現在、ドルはユーロに対して前日比0.9%安の1ユーロ=1.4440ドル。週間では1.4%下落。ユーロは対ドルで一時1.4444ドルと、昨年1月以来の高値を付けた。円はユーロに対して0.8%安の122円42銭。一時は昨年5月以来の安値となる場面もあった。円はドルに対して0.2%高の84円78銭。

◎金先物市場

  ニューヨーク金先物相場は4日連続で最高値を更新した。ドルが下落したため、インフレヘッジおよび代替資産としての需要が膨らんだ。銀はオンス当たり40ドルを上回り、31年ぶり高値を更新した。

  金は一時1476.20ドルまで上昇し、最高値を記録した。主要通貨に対するドル指数が2009年12月以来の低水準に下げたことが買いを誘った。原油は2年半ぶりの高値。欧州中央銀行(ECB)は前日にインフレ加速を阻止するため、政策金利を過去最低水準から引き上げた。

  フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシュ氏(シカゴ在勤)は「連邦公開市場委員会(FOMC)はECBのようなインフレ対策に向かうには程遠い。金の動きはドルの弱さを反映している」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6月限は前日比14.80ドル(1%)高の1オンス=1474.10ドルで終了した。週間では3.2%高と、昨年5月以来の大幅上昇。

  銀5月限は1.056ドル(2.7%)高の40.608ドルで終えた。

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