4月14日(ブルームバーグ):金融危機の原因について2年にわたり調査してきた米上院常設調査小委員会のカール・レビン委員長(民主、ミシガン州)は、ゴールドマン・サックス・グループが住宅市場関連の証券で顧客と議会を欺いたと主張した。
640ページから成る調査報告を13日に公表した同委員長は、米司法省と米証券取引委員会(SEC)がゴールドマンの行為の違法性について捜査、検証するよう求めた。債務担保証券(CDO)を販売する際、同証券の価値下落が自社の利益となることを買い手に対し明らかにしなかったことが法に抵触する可能性を指摘した。
同委員長はさらに、ロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)を含め昨年議会証言したゴールドマンの現・元幹部の偽証罪の可能性についても連邦検察当局が捜査するべきだと主張した。自社の利益のみを目的に住宅ローン関連証券についてショートポジションを組んだ事実を否定したのは真実でなかったと論じた。
報告は2008年の危機の責任の大半が、住宅市場関連の金融商品を組成・販売しそれによって利益を得た金融機関にあると結論付けた。中でも投資銀行のゴールドマンとドイツの銀行最大手、ドイツ銀行が、高リスクのローンを裏付けとしたCDOを販売したと論じた。両社のトレーダーらはそれらの証券の価値下落を予想していたと非難した。
公式見解
ゴールドマンはコメントを出し、他者を欺く事業活動があったことを否定。ドイツ銀の広報担当、ミシェル・アリソン氏も文書で、上院報告が「示した通り、米住宅市場については行内でもさまざまな見解があった」とし、「一部の弱気な見方にもかかわらず、ドイツ銀は住宅市場に関しロングのポジションを組み、相当の損失も被った」と説明した。
報告はまた、危機の原因として格付け会社の役割や監督当局の怠慢、バブル期の融資基準の低下などを検証した。
常設調査小委のこの報告は、2007年に始まった今回の危機についての最後の公式見解となる見込み。ゴールドマンなど各社の内部文書を添付した報告は、他の調査よりも影響力を持つ可能性もある。ただ、司法省とSECが報告に基づき捜査を開始するかどうかは不明。
レビン委員長は単独で捜査を要求することはできないが、トム・コバーン上院議員(共和、オクラホマ州)の支持を得て常設調査小委として捜査を求める正式手続きを取ることができる。
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