2月28日(ブルームバーグ):ドルの価値の裏付けとして金を利用するのは非実用的であり、国際通貨システムにおいて金がより公式な役割を果たす余地はほとんどないとの見方を、英王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)が示した。 金が果たす役割の可能性について議論した調査チームによると、金価格の高騰は主要通貨の信頼感の欠如と他の資産のリターン(投資収益率)の低さを反映しているとみられるものの、金と政策決定のための情報として利用され得る経済変数との間に、一貫性のある相関関係はない。金はポートフォリオの一部として通貨切り下げや他のリスクに対するヘッジのために利用できるが、それ自体としては利用できないとしている。 ニクソン元米大統領は約40年前にブレトンウッズ体制を放棄した。産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、この体制の下では金1オンス=約35ドルに固定されていた。金価格は11年連続で上昇し昨年9月に過去最高値に達した。中央銀行は数十年ぶりに金準備を増やしている。
調査チームは28日のリポートで「金を再び基軸とすることは、明らかに非実用的、あるいは悪影響につながる恐れさえある」と指摘。その上で、「金は、主要な法定不換通貨の価値下落に対するヘッジ手段として利用でき、外貨準備の多様化を目指す中央銀行にとっても有用だ」との見方を示した。同チームは8カ月間にわたって議論を重ねた。
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