12月8日(ブルームバーグ):年間ベースの小麦相場は今年、過去3年で最大の下落率を示す可能性が高まっており、今後も下げ続けるとの見方が広がっている。ロシアやカナダの収穫高の増加により在庫が10年ぶりの高水準に達するとみられているためだ。
ブルームバーグがアナリスト16人を対象に実施した調査の平均値によると、米農務省が9日発表する需給報告では、小麦在庫は来年6月までに3.4%増の2億289万トンに達すると予想されている。クレディ・スイス・グループは、小麦相場が向こう1年間に12%下げ、1ブッシェル当たり5.30ドルになるとみている。相場は2年5カ月ぶりの高値である9.1675ドルに達した2月以降、34%下落している。
国連が発表する世界の食料価格指数は、過去最高水準に達した2月以降、9.1%低下し、経済成長が鈍化する中、インフレ抑制につながっている。穀物価格高騰に伴って農家が作付けを増やしたため、トウモロコシと大豆相場も下落している。
マッコーリー・グループ(ニューヨーク)の農産物商品担当マネジャー、アレックス・ボス氏は「トウモロコシと小麦の作付けを増やせる国は既に全てそうしている」と指摘。「信じられないような変化でありなお生産に回せる余剰農地がある」と述べた。
シカゴ商品取引所(CBOT)の小麦相場は今年に入って24%下げ6.005ドル。年間ベースでは2008年以降で最大の下落となりそうだ。
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