2011年11月4日金曜日

米カルパース、7.75%の投資リターンは実現困難の恐れ-ディアCIO

9月28日(ブルームバーグ):米最大の公的年金基金のカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は今年、7.75%の投資リターンの実現が難しい見通しだ。同基金のジョゼフ・ディア最高投資責任者(CIO)が明らかにした。欧州債務危機や米景気回復の弱さが世界の株式相場を引き続き圧迫していることが背景にある。

  ディアCIOは28日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで「今年は厳しいだろう。今後数年もそうかもしれない」と述べ、「今の低リターンの環境は構造的なものであり、それを動かす方策はあまりない」と語った。

  カルパースは年金基金としての責務を果たすために、年平均で7.75%のリターン確保を想定している。同基金は6月末までの1年間のリターンがプラス20.7%と、過去14年で最高の成績だった。株式とプライベート・エクイティ(PE、未公開株)投資の好調が寄与した。ただその後は世界の株式相場が17%下落する中で、資産額は200億ドル(約1兆5300億円)減少し9月26日時点で2186億ドルに落ち込んだ。

  2011年度(6月末期)の投資リターンを含めても過去5年間の年平均リターンはプラス3.41%、過去10年では5.36%、15年では6.97%。過去20年の平均では8.38%と、ようやく想定リターンを上回る。

  ディアCIOは「問われるべきなのは長期間の方だ」と述べ、「20年間さかのぼり、カルパースが7.75%のリターンを実現できたかと問われれば、答えはイエスであり、それを優に上回る8.4%だ。長期的に楽観的で正しい行動を取ればその目標を達成できる。しかし直近については、私はそれほど勇気づけられてはいない」と語った。

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