6月30日(ブルームバーグ):中国の旺盛な原材料需要を背景に鉱山用トラックのタイヤが3倍に値上がりし、高級車のポルシェ「911カレラS」やマイアミの分譲マンションの価格を上回っている。
豪英系BHPビリトンや英アングロ・アメリカンなどの鉱山会社の請負業者、豪レイトン・ホールディングスによると、米キャタピラー製の鉄鉱石や石炭採掘用トラックに利用される直径約3.5メートルのタイヤのスポット価格は10万ドル(約810万円)に上昇している。2008年には15万ドルに達していた。
道路以外で利用されるオフロード用タイヤの再生事業を手掛けるドイツのレスラー・タイヤ・イノベーターズによると、契約価格は約3万ドル。世界最大の金属輸入国である中国の需要拡大を背景に銅と鉄鉱石、金、石炭の価格が今年、過去最高値を更新。鉱山各社は採掘に必要な機器や人材をめぐり競合せざるを得ない状況となっている。
タイヤ・イノベーターズのマネジングパートナー、ポール・レスラー氏は豪パースにある同社のオフィスからの電話インタビューで「07年当時のように逼迫(ひっぱく)した状況となるのを懸念している」と述べ、「タイヤの供給逼迫と高値で鉱山会社は再び困難な状況に陥っているが、大手企業はこのような状況に備え、供給業者とより有利な条件で契約を締結し在庫を改善していると思う」と指摘。主な供給業者としてフランスのミシュランやブリヂストンを挙げた。
米タイヤメーカーのタイタン・インターナショナルによると、鉱山用トラックのタイヤ需要は「急増」している。グローバル・マーケッツ・パースペクティブズによると、タイヤメーカーはオフロード用タイヤの受注が向こう1年半にわたっていっぱいの状態で、顧客企業に対し今年は不足する恐れがあると通知している。
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