2011年7月3日日曜日

米短期債償還不可なら選択的不履行に、財政赤字を懸念=S&P

[ニューヨーク 29日 ロイター] 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)幹部は29日、米国が8月4日に満期を迎える短期国債を償還できなければ、同国の格付けを直ちに「選択的債務不履行(SD)」に引き下げると言明した。
S&Pでソブリン格付け委員会の委員長を務めるジョン・チェンバース氏は、ロイターに対し「米政府が元本を償還できなければ、(当該国債の)格付けは『D』になる」と述べ、「支払い猶予期間はないため、国債が満期を迎える8月4日の直後に格下げになる」との見方を示した。

 それ以外の国債も格下げされるが、より小幅な引き下げにとどまる見通しという。

 8月4日には300億ドルの短期国債が償還を迎える。

 チェンバース氏は、1960年代以降70回もあったように、ぎりぎりの段階で債務上限が引き上げられるとS&Pは見込んでいるとし、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性は「非常に低い」と述べた。

 同氏は、デフォルトよりも今後2年で財政赤字の意義ある削減ができるかを懸念しているとし、大統領選を来年控えているため与野党の合意が難しいとの見方を示した。

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