[北京 14日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)は14日に公表した年次金融安定報告で、欧州各国の政府が債務水準を抑制できなければ欧州の債務危機が拡大し、悪化する可能性があると警鐘を鳴らした。
また、新興市場国が引き締め策によりバブルを回避できなければ、経済が「ハードランディング」するリスクがあるとの認識を示した。
人民銀行は報告で「ユーロ圏で行われている一連の救済措置は、金融市場の安定化に寄与してきたが、ソブリン債危機を招いた根本的な原因の解決には至っていない」とした。
さらに「市場の信頼感は依然ぜい弱だ。ソブリン債危機の行方を引き続き注視する必要がある」とし、「ソブリン債危機が拡大し、悪化する可能性がある」と警告した。
新興市場国については慎重な見解を示し、「一部の新興市場国には大規模な資本が流入して資産価格の上昇を引き起こし、インフレ期待が強まっている。これは、調整政策の実施を一層困難にする」と指摘。
「インフレや資産バブルを効率的に抑制できなければ、新興市場国における一段と積極的な引き締め政策が経済のハードランディングにつながる恐れがある」とし、「これが短期的に資本フローを反転させる可能性があり、世界経済の回復や金融の安定を脅かしかねない」とした。
また、金融政策においてインフレ抑制が引き続き最優先課題との認識を再表明するとともに、より柔軟な為替制度は物価圧力の上昇を抑える、との考えを示した。
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