6月14日(ブルームバーグ):世界経済の重心が、米国や欧州から南へ移りつつあると、英銀HSBCホールディングスのチーフエコノミスト、スティーブン・キング氏が指摘した。アジアと中東、中南米、アフリカを結ぶ南から南の通商ルートの発展が重心移動の理由だという。
キング氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)への寄稿で、ブラジルの貿易のうち36%がそのような「南南」取引だとし、この割合が2050年までに50%を大きく超える可能性があるとの見方を示した。
また、大規模なM&A(企業の合併・買収)の幾つかもこの南南軸で行われていると指摘。中国石油化工(Sinopec)がスペインの石油会社レプソルYPFのブラジル部門を71億ドル(約5710億円)で買収した案件は、ブラジルで昨年2番目の規模だったと説明した。
中国の高い貯蓄水準が中南米や中東、アフリカ諸国でのインフラ投資につながり、中国の東部と同様の経済状況の変貌をもたらすだろうとも、キング氏は書いている。
0 件のコメント:
コメントを投稿