2011年5月3日火曜日

疑惑取引でも威信揺るがず、震災後も対日見解変わらず=バフェット氏

[オマハ(米ネブラスカ州) 1日 ロイター] 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は1日、自身が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ<BRKa.N><BRKb.N>の株主総会終了に際し、記者会見を行った。

 同社では元幹部によるインサイダー取引疑惑が浮上しているが、バフェット氏は自身の威信が揺らいだとは思わないと発言。米経済には一段の雇用創出が必要との認識も示した。 

 後継の最高経営責任者(CEO)候補については、外部からの起用は「ほぼあり得ない」と発言。

 有力候補とみられていたデービッド・ソコル氏がインサイダー取引疑惑で辞任したため、株主の間では、保険部門責任者のアジット・ジェイン氏が有力との見方が浮上している。 

 <対日投資> 

 対日投資については、日本に投資できればうれしいと発言。「日本に戻る」と述べた。

 東日本大震災に伴う再保険事業の損失については、圧倒的大部分がスイス再保険への出資に伴うものだと説明。

 震災後も、対日投資や日本の保険事業に関するバークシャーの見解は変わっていないとの認識も示した。 

 <ブラジル、カナダ>

 ブラジルについては、バークシャーのレーダーに入っていると発言。カナダで中小規模の「ボルトオン」買収(買収企業の既存の事業戦略に沿った買収)を検討していることも明らかにした。

 ユーロ圏については、ソブリン債務危機を克服できるのかとの疑問を呈した。

 米国については、オバマ政権が雇用創出に専念するのは正しく、過剰な住宅在庫が解消されれば、米経済の勢いも変わるとの見通しを示した。

 中国の政府系ファンドを運用するならどう運用するか、との中国人記者の質問には、米国株を中心に株式で運用すると答えた。

 英テスコ<TSCO.L>株については、現在の水準では売却を考えていないと発言。

 バークシャーが現在保有している銘柄は、ほぼすべて、将来買い増す可能性があると述べた。

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