2011年4月2日土曜日

世界最強!米の“核部隊”140人投入へ…福島第1原発事故

スポーツ報知 4月1日(金)8時5分配信

 東日本大震災による東京電力福島第1原発事故で、自衛隊トップの折木良一統合幕僚長は31日、米軍の放射線管理に精通した専門部隊約140人が近く来日すると明らかにした。放射性物質の探知、被ばく者除染などの知識、能力を備えた“対核”の分野で、世界最強の特殊部隊。緊急事態対応で、即時に現場入りはしないが、最悪すら想定内にし、危機に備える。また、この日、冷却用の真水を積んだ米軍提供の台船1隻が原発の岸壁に接岸。物資、人員ともに、米軍の協力態勢は本格化してきた。

 危機的状況の原発に世界最強部隊が、派遣される。来日するのは、米軍海兵隊に所属する化学、生物兵器攻撃、事故に対応する特殊部隊。「ケミカル・バイオロジカル・インシデント・レスポンス・フォース」の頭文字を取り「CBIRF」と呼ばれる。核兵器、事故への対応も任務で、被ばく者の除染、放射性物質の管理などの専門知識、能力を備えている。

 部隊の公式サイトによると、事故現場で汚染レベルを調査するチーム、治療を行うチームなどに分かれる。今回は初動対処の約140人が来日するという。来日直後は現地入りせず、まずは自衛隊と情報交換する。拠点とする基地、派遣時期は調整中だという。

 折木幕僚長は「あくまで緊急事態に対応するためで、そうならないよう願っている」と強調した。ただ、派遣人数は所属隊員(約450人)の約3分の1に相当し、事故の大きさを示す。21日に折木幕僚長と会談した米太平洋軍トップのウィラード司令官は「日本政府の判断次第で、いつでも(部隊を)出せる」としていた。先遣隊9人は既に来日済み。“本隊”投入に踏み切ったことは、日米ともに「緊急事態」も想定するほど、現状を重く見ている証しともいえそうだ。

 31日午後には、原子炉等を冷却するための真水を積んだ米軍提供の台船2隻のうち1隻が、原発の岸壁に接岸した。約1100トンの真水を積載。もう1隻の到着を待ち、注水準備を行う。真水用の原発タンクの容量は約3500トンで、近くのダムから取水するが、米軍船はそれを補う。米軍は機器への影響が心配な海水から、真水に切り替えるよう強く要請していた。

 事故では、米軍は無人偵察航空機「グローバルホーク」を既に投入。上空から原発の状態を撮影し、自衛隊に提供してきた。また、爆発物処理等に使うロボットの投入も計画される。事態の深刻さが増すとともに、日米の協力作戦の規模は大きくなってきた。

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