3月10日(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)の元貨幣政策委員、余永定氏は10日、中国が米国債の購入を中止すべきだとの見解を示した。デフォルト(債務不履行)に直面する可能性のある国家に金を貸す「コスト」は高過ぎると指摘した。中国は米国の最大の債権国。
余氏は電子メールで配布したコメントで、米国の債務は法定上限である14兆3000億ドル(約1186兆円)に数カ月以内に達する公算で、これはデフォルトにつながる可能性のあるものだと指摘。米国がユーロ圏の一国だったならば、とうの昔にデフォルトまたは救済受け入れを余儀なくされていただろうとも述べた。同氏は現在、中国社会科学院世界経済政治研究所の所長を務めている。
同氏はさらに「中国は輸出の勢いを止めないため」と、保有している米国債からの「損失を回避するため、米国に金を貸し続けてきた」とし、「既に保有しているものについては深刻な政治的、財政的悪影響なくして策を講じるには恐らく遅過ぎるが、少なくとも保有を積み上げ続けることはやめるべきだ」と続けた。
人民銀貨幣政策委員の李稲葵氏ら当局者も、外貨準備を米国債中心から多様化することを呼び掛けている。中国の米国債保有高は昨年10月に1兆1750億ドルに達し、過去最大を記録した。米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は先月、旗艦ファンドの「トータル・リターン・ファンド」の2370億ドルのポートフォリオから米国債をすべて除外した。
0 件のコメント:
コメントを投稿