2011年3月13日日曜日

NY外為(11日):円は対ドルで大幅高-地震に伴う円需要見込む

3月11日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで8月以来の大幅上昇。日本を襲った東北地方太平洋沖地震で、投資家が今後の円需要を見込み買いを入れた。

円は主要通貨すべてに対して上昇した。東北大地震により保険会社などが損害補償を支払うために円を買い戻すとの観測が強まった。ユーロは週間ベースで対ドルでの下げ幅を縮小した。欧州債務問題をめぐる進展が好感された。ブラジル・レアルは下落。政府当局者がレアル上昇のさらなる抑制措置を検討していると述べたのが手掛かりだった。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジーの世界責任者アラン・ラスキン氏(ニューヨーク在勤)は、「一般的に復興プロセスというのは円にとってポジティブだと考えられている」と述べ、「市場の関心は資金の国内への送金(レパトリエーション)に集まっている」と続けた。

  ニューヨーク時間午後4時11分現在、円は対ドルで1.3 %上昇して1ドル=81円87銭。円は対ユーロで0.6%高の1ユーロ=113円86銭。ユーロは対ドルでは0.8%高の1ユーロ=1.3906ドル。一時は0.3%安まで下げていた。

地震直後の円は対ドルで0.4%安、対主要通貨すべてで下落する場面もあった。

阪神大震災直後の円

円は1995年に発生した阪神・淡路大地震後の3カ月で対ドルで約20%上昇した。

みずほコーポレート銀行国際為替部の荒井守参事役によると、今回の大地震による影響は、阪神大震災直後とは異なる可能性があると指摘する。同氏は、阪神大震災当時は日米間で貿易戦争が起きていたのに対し、今は日米間で経済的な障害があるわけではないので、円が大幅に上昇するとは考えにくいと指摘する。

ユーロは週間ベースで対ドルで0.7%下落。前週までは3週連続で上昇していた。

ファンロンパイ欧州連合(EU)大統領は11日、ユーロに関する協定を巡りユーロ圏首脳会議が原則合意に至ったと発表した。

  同大統領の事務所は、「包括合意の他の要素についての協議がまだ続いている」との声明を出した。

包括的救済案の承認期限は今月25日となっている。

レアル高の抑制

ブラジル政府は、通貨の上昇を抑制するための新たな措置を検討している。外国人投資家に対し、株式投資の一定期間の国外移転を禁止する措置もこれに含まれている。計画に詳しい政府当局者が11日に明らかにした。

ブラジル・レアルは対ドルで0.2%安。一時は0.1%高まで買い進まれている場面もあった。

ブラジル政府は昨年10月、外国人投資家の債券購入に伴う税率を3倍引き上げて6%とした。このほかブラジル中央銀行によるスポット市場でのドル買いや、国内銀行のドル売り持ち高に対し準備率を設定するなど、ブラジルはレアル高の抑制に努めてきた。

朝方は発表された2月の米小売売上高は前月比で1%増と4カ月ぶりの大幅な伸びを記録したが、この日のドルは円に対して軟調に推移した。

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