2月25日(ブルームバーグ):アジア事業への依存の大きい英銀、HSBCホールディングスは同業のスタンダードチャータード銀行とともに、アジアでの収益率低下に直面しているとみられる。域内外の銀行との間で競争が激化しているためだ。
金融危機で撤退を余儀なくされていたシティグループなどの米銀も、アジア事業を再強化している。HSBCとスタンダード銀にとって、収入と人材の双方での競争激化を意味する。さらに、中国工商銀行などの中国勢も国内市場での優位を手離すつもりはない。プライスウォーターハウスクーパースの概算によれば、中国での外国銀行の市場シェアは2%にすぎない。
エクサンBNPパリバのアナリスト、イアン・ゴードン氏は「利ざや縮小の圧力がある」として、「アジアに戻りつつある他の外銀および中国本土の銀行は、攻勢を強めている。特に香港ではそうだ」として、HSBCなどに強い逆風が吹いていると指摘した。
HSBCは28日朝に2010年通期決算を発表する。スタンダード銀の決算は3月2日。両行は100年以上にわたりアジアで事業展開している。昨年1-6月(上期)の利益でアジアの割合はHSBCが50%余り、スタンダード銀は約75%だった。
ドイツ銀行のアナリスト、ジェーソン・ネイピア、デービッド・ロック両氏によれば、HSBCのネットの利ざやは2.83%と2.94%から低下、スタンダード銀は3.52%と3.76%から低下した見込み。
2010年業績のアナリスト予想は以下の通り(単位は百万ドル)。
HSBC
純利益 13,912
税引き前利益 20,453
収入 69,274
不良債権引当金 14,063
スタンダード銀
純利益 4,220
税引き前利益 6,145
収入 15,894
不良債権引当金 988.5
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