12月17日(ブルームバーグ):中国の銀行が政府の供給する資金に対して支払う金利が、今年1月時点のほぼ2倍に上昇している。中国人民銀行(中央銀行)による預金準備率引き上げで金融システム内の資金が不足したほか、インフレ加速で預金の伸びが鈍化したことが背景にある。
中国財政省が16日実施した月例の6カ月物資金300億元(約3780億円)規模の入札は、落札金利が5.4%となった。2006年12月にさかのぼる人民銀のデータによると、これは過去最高で、11月の入札時の4.93%を47ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回った。09年12月は2.35%、今年1月は2.92%だった。
人民銀が今月、今年6回目となる預金準備率引き上げを決めたことで、商業銀行の政府資金に対する需要は高まっている。
平安証券の債券調査責任者、石磊氏(深セン在勤)は「特に積極的に貸し出しを行ってきた銀行は、預金を切望している。年末までに預貸率75%の義務を達成する必要があるからだ」と指摘。「最近の預金準備率引き上げ後に生じた銀行間市場の資金不足により、事態は悪化している」と述べた。平安証券は中国2位の保険会社、平安保険の傘下にある。
上海にある銀行間資金の取引センター、NIFCによれば、銀行間金利の指標である7日物レポ金利は15日に3.58%と、08年10月以来の高水準となった。
当局のデータによると、中国の銀行における人民元預金の伸びは過去2カ月間で1.1%にとどまった。8-9月は3.7%だった。
中国国際金融(CICC)の債券アナリスト、陳健恒氏(北京在勤)は「インフレ加速で実質金利がマイナスのままであるため、個人は銀行にお金を預けたがらない」と述べた。
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