2010年12月17日金曜日

ポルトガル救済は不可避、起債ラッシュで調達難-ユーロ圏96兆円にも

12月17日(ブルームバーグ):ポルトガルは来年、信用力のより高い政府や機関による債券発行が相次ぐ中で資本市場から締め出され、債務返済のために救済を要請する事態に追い込まれる恐れがある。

  英シュローダーの欧州・英国債担当責任者ジェイミー・スチュタード氏は「ポルトガルが自力で資金調達する能力にかなりの制約があるというのが市場の共通した見方になっている。人々にはポルトガルに代わる投資先がある」と話す。

  ブルームバーグのデータによれば、ポルトガルは来年1-3月(第1四半期)に110億ユーロ(約1兆2200億円)相当の債務返済が必要になる。一方、モルガン・スタンレーのロンドン在勤ストラテジスト、エレーン・リン氏によれば、ユーロ圏の政府による国債発行総額は来年、8630億ユーロ(約96兆円)に達する可能性がある。これは今年の9250億ユーロよりは少ないが、「過去と比較すれば高水準」であり、2000-08年の平均を上回ると同氏は説明する。

  来年は欧州連合(EU)などに支援を要請したギリシャとアイルランドこそ借り入れを予定していないが、トリプルA格付けを付与された欧州金融安定ファシリティー(EFSF)のクラウス・レグリング最高経営責任者(CEO)は、救済資金を賄うために1月後半に50億ユーロ相当の最初の起債を行う計画だ。

  イタリアの銀行最大手ウニクレディトとフランス銀行2位のソシエテ・ジェネラルのアナリストらは、来年のポルトガルによる国債発行を想定しておらず、借り入れコストを抑えるために救済が必要になると予想する。

  ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)ヨーロッパの債券ストラテジスト、ノルベルト・アウル氏は8日付のリポートで、「来年の供給ラッシュが近づくにつれて、ユーロ圏周辺国の国債スプレッドに対する圧力が再び高まるはずだ」と指摘した。ポルトガル10年国債相場は16日まで9営業日続落し、このままいけば過去9週で8回目の週間ベースの下落となる見通しだ。

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