12月15日(ブルームバーグ):鉱山業界のM&A(合併・買収)の照準がアフリカやアジアの新興市場に移行している。豪英系BHPビリトンや英豪系リオ・ティント、スイスのエクストラータが開発の進んでいない地域で割安な水準での契約締結を目指しているためだ。鉱山業界のM&A総額は今年、過去2番目の高水準に達する可能性がある。
ブルームバーグが集計したデータによると、商品市場で大半の銘柄が上昇するなか、世界の鉱山業界のM&A総額は今年2倍以上に増加し1320億米ドル(約11兆700億円)に達した。これに伴いクレディ・スイス・グループなど金融機関の顧問料も上昇している。これらの案件で買い手企業が支払うプレミアムは平均23%と、中南米やアフリカ、中東の2倍以上に上った。
サンフォード・C・バーンスティーンによると、来年は鉱山会社上位8社の利益が計1320億米ドルに達すると予想されているため、BHPやリオがM&Aをけん引しそうだ。クレディ・スイスの豪州資源関連投資銀行業務の責任者、マーク・カーライル氏は、石炭や銅、金が選好され、アフリカが「人気のある地域だ」との見方を示した。同氏は今年、新興市場の鉱業関連M&Aの助言業務で首位だった。
ブラックロック・インベストメント・マネジメント(オーストラリア)のジェームズ・ホルト氏は「大手鉱山会社の手持ち資金は豊富で新たな収入源を探している」と指摘。アフリカに重点が置かれるとの見方を示した。同氏はBHPやリオの株式など約400億豪ドル(約3兆3400億円)相当の運用を手掛ける。
ブルームバーグのデータによると、鉱山業界における中東とアフリカへの資金流入は今年、2倍以上に増加し77億米ドルに達しており、M&Aのトレンドの移行が示唆されている。
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