9月1日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は1日発表の調査リポートで、先進国の中で債務水準が維持不能な水準に最も近づいている国として、ギリシャとイタリア、日本、ポルトガルを挙げた。
IMFの調査スタッフはこのリポートで、これらの4カ国が財政赤字の制御不能状態の進行を回避するには、思い切った予算削減が必要になるリスクが著しく高いと指摘。従来の予算削減では十分でないためと説明した。また、米国とスペインの財政も圧迫されていると指摘した。一方、IMFの別のリポートでは、先進国のデフォルト(債務不履行)リスクを示す指標には、「市場の過剰反応」が反映されているとの見方を示している。
リポートは「行動は変えることができるため、財政に余地がほとんどないか、あるいは全くないと指摘された国についても、公的債務の急増や政府のデフォルトを予言するものではない。過去は運命ではなく、むしろ変えなければならないものであり、財政政策を『旧態依然』としたやり方で進めることはできない」と指摘。「特に財政政策は、過去の行動が示唆するよりも強く債務に向き合う必要がある」と強調した。
IMFがこの日発表した3本のリポートの2本目では、欧州債券市場のボラティリティ(変動性)は「依然高い」としながらも、欧州のデフォルトリスクについては退け、必要とされる財政調整は「困難」だろうが、以前にも達成されてきていると指摘した。
さらに、「われわれの見方では、債務再編のリスクは現在、著しく過大評価されている」とし、「市場の動きは経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を反映したものだと受け止めることは通常は賢明だが、市場の過剰反応は時々起こるものであり、各国に対して悪影響を及ぼす」と論じた。
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