[ヨハネスブルク 26日 ロイター] 南アフリカ最大の労組、南アフリカ労働組合会議(COSATU)は26日、与党のアフリカ民族会議(ANC)との長年の関係を断ち切り、ストを主要産業まで拡大することをほのめかした。
一方、主要都市では公務員労組が賃上げを求めてストライキに入り、デモ行進を繰り広げている。約130万人の組合員がストに参加しており、学校は閉鎖され、病院での医療活動にも支障が出ている。
ヨハネネスブルク南西435キロのキンバリーではデモ隊が暴徒化。それに対し、警官がゴム弾を発砲した。また主要都市ではデモの影響で交通渋滞が発生している。
COSATUは26日、7日間のストを通告。これにより、200万人に上る組合員全員が公務員ストに合流する可能性がある。さらに鉱業、製造業をターゲットにする方針を表明しており、南アフリカの経済活動はマヒ状態に陥る可能性がある。
これまでのところ、通貨ランドや債券市場には大きな影響はみられないが、市場参加者はストが9月まで長引き、他の労組も参加すれば、影響は避けられなくなる、との見方を示した。
フリーマーケット・ファウンデーションのエコノミスト、Jasson Urbach氏はストによる影響について、1日当たり10億8400万ランド(1億4780万ドル)になると試算している。
公務員労組は、8.6%の賃上げと月額1000ランド住宅手当支給を要求しているが、政府はインフレ率の倍以上に相当するその要求に応じる余裕はないとし、それぞれ7%、700ランドを回答した。
賃上げによって政府の歳出は1―2%膨らむ見通しで、国内総生産(GDP)比6.7%に上る財政赤字の削減努力を続けている南ア政府は、新たな資金調達手段の模索を余儀なくされることになる。
南ア経済は2010年第2・四半期に、鉱業、製造業の成長ペース鈍化によってGDP伸び率が予想を下回った。このため、ストが拡大すれば、経済成長に対する懸念が一段と高まりかねない。
一方、南アフリカ全国鉱山労働者組合(NUM)は、リオ・ティント(RIO.L: 株価, 企業情報, レポート)とBHPビリトン(BLT.L: 株価, 企業情報, レポート)の合弁会社リチャード・ベイ・ミネラルズの労組組合員が27日、賃金交渉の紛糾からストを開始したと明らかにした。
労組スポークスマンは、同社の組合員1700人全員がストに参加するとの予想を示し、「ストは始まった。全従業員が参加するとみている」と述べた。
NUMはさらに、公務員ストを支援するため、来週、鉱山および他の業界で大規模なストを実施すると警告した。
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