2010年8月11日水曜日

【テクニカル分析】商品下落か-不気味な消費者心理が信用不安を生む

8月10日(ブルームバーグ):商品相場が向こう1年4カ月間に43%下落し2009年2月に付けた4年ぶりの安値に帰るとの見通しを、ユナイテッドICAP(米ニュージャージー州)のチーフ・テクニカルアナリスト、ウォルター・ジンマーマン氏が示した。デフレ懸念が金融市場を覆い、信用不安が生まれるためとしている。

  添付のチャートは、商品24銘柄で構成するスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のGSCI指数が、08年9月以降、S&P500種株価指数の動きと相関性を持つようになったことを示す。ジンマーマン氏によると、株式相場が1年以上にわたって常に原油やガソリン、銅、銀相場の動きを決定付けており、商品が需給より景気見通しに基づいて取引されていることが示唆されている。このような状況は、以前は全く見られなかったという。

  ジンマーマン氏は9日、ペンシルベニア州からの電話インタビューで「まるで『ザ・ブロブ』のように、消費者の共有する心理が主要商品の独立性をむしばんでいる」と指摘。「これが恐れや悲観、縮小、保守主義、上昇を見込むポジションを積み上げようとしない傾向につながっている。これこそがデフレ経済の心理だ」と述べた。同氏は1980年代初頭から相場パターンを分析している。

  「ザ・ブロブ」とは、1958年に公開されたスティーブ・マックイーン主演のホラー映画(邦題は「マックイーンの絶対の危機」)。巨大なアメーバのようなエイリアンがペンシルベニア州の小さなコミュニティーを恐怖に陥れる物語だ。88年のリメーク版(邦題は「ブロブ/宇宙からの不明物体」)では、「ブロブ」は政府が秘密裏に進めていた細菌戦争プログラムから生み出される。

  ジンマーマン氏は、GSCI指数が356を下回れば、2011年末までに306まで低下すると予想する。9日終値は536.706。09年2月19日には305.585と、05年1月以来の低水準に落ち込んだ。

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