6月23日(ブルームバーグ):富豪で投資家のジョージ・ソロス氏は、金融危機後の欧州の銀行について、「浄化」がきちんと終わっていないとの見方を明らかにした。これらの銀行が保有資産の時価評価を完了していないことを理由に挙げた。
ソロス氏(79)は23日ベルリンでの講演し、「現在の危機は、財政危機というよりも銀行危機だ」と指摘。「不良資産は時価評価されないまま満期まで保有されている。市場がソブリン債の信用度を疑い始めた時、問題になったのは金融システムの支払い能力だ。金融機関が高債務国の債券を大量に抱え、こうした債券が現在額面を下回る価格で売られているためだ」と述べた。
同氏はまた、銀行間融資とコマーシャル・ペーパー(CP)市場で資金の出し手がいなくなり、金融機関が短期資金の調達に苦しんでいるとした上で、金融機関は欧州中央銀行(ECB)に資金調達を依存する一方、余剰資金についても中銀預入制度を利用してECBに預け入れている状況だと説明した。
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