2010年06月20日
1オンス1258.3ドル。金相場が連日最高値を更新する中で、投資家の間では「まだまだ騰がる」という見方がある一方で、「金バブルもそろそろだ」という見方も出ている。今後はどうなっていくのだろうか。
米投資専門紙のバロンズに次のような金に関するコラムが先日紹介された。筆者はファースト・ミシガン銀行のチーフ・インベストメント・ストラテジストであるチャールズ・ウィギンズ氏。
「投資家は流行を追うものであり、資金が集まるところに自分も投資しようとする。分別のある資金が投入されている場所は避けたがる。オーストリア学派の極めて重要な見解によれば、投資家は同時に誤りを犯すものであり、従って、全員一致は危険な兆候だ」
その投資家全員一致という現象の過去の事例を次のように挙げた。
◆1950年代=電子技術から脱出することが肝心だった
◆1960年代=レストランチェーン
◆1970年代=優良株と債券
◆1980年代=エネルギーとバイオテクノロジー
◆1990年代=日本とインターネット
◆2000年代=不動産と住宅建設
バブルとなり、そして泡はいつか弾けていく。それが2010年代は何になるのか。コモディティ? エネルギー? 金? ただ、こればかりは後世にならなければわからない。
週刊誌やスポーツ新聞でも取り上げられるようになり、書店の店頭にも投資関連の本が並ぶようになれば、手じまいの時期。よくそう言われることが多い。現在、金投資も雑誌類、テレビCMなども多く見かける。
ただし、世界的に国家財政への信頼が揺らいでいることも事実。個人投資家が安全資産の金に資金を移すのは仕方がないことかもしれない。また、機関投資家の間でも、ヘッジファンド界の帝王ジョン・ポールソン氏、ジョージ・ソロス氏はともに金鉱株、金ETFなどに多額の資金を投資しているという現状もある。
1オンス1258.3ドルという先物価格が、フェアバリューなのかどうか。もしかすると、バロンズのコラムにあった「危険な全員一致」なのか。あるいは、さらなる高騰劇の序章にすぎないのか。個人投資家は、それを冷静に見極める必要がある(2010.6.20/ゆかしメディア)
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