5月15日5時43分配信 時事通信
【ニューヨーク時事】週末14日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、代替資産としての金買いが膨らみ、中心限月6月物は通常取引前の時間外取引で一時1オンス=1249.70ドルと、取引途中の最高値を更新し、節目である1250ドルに迫った。あと株価や商品相場の下落を眺めて軟化、結局、前日終値比1.40ドル安の1227.80ドルで終了した。
通貨不信「金シフト」加速 ギリシャ不透明 連日の最高値
5月14日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
ギリシャの財政危機を受けて安全資産の金にマネーが流入し、12~13日にかけてニューヨークで史上最高値を更新、東京工業品取引所でも27年ぶりの高値を付けた。EU(欧州連合)などのギリシャ支援決定で不安の連鎖はひとまず収縮し、株式、為替相場は落ち着きを取り戻したが、依然として「ギリシャのデフォルト(債務不履行)リスクに伴うユーロ不安は否めない」(大手証券)ことで、投資家の“金シフト”が強まっている。
12日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物相場は取引の中心となる6月限が前日比22.80ドル高の1オンス=1243.10ドルで引け、2日連続で史上最高値を更新。13日の東工取でも11年4月物の日中取引の終値が42円高の1グラム=3725円で、1983年2月以来27年ぶりの高値となった。
金価格は昨年11~12月、米国の雇用情勢悪化に伴うドル不安時にも高騰した。ただ、今回の高騰についてワールドゴールドカウンシルの豊島逸夫・日韓地域代表は「もはやドル安のリスクヘッジとして金が上がる、という次元の話ではない」と指摘。「巨額の財政赤字や国債の大量発行でユーロ、円など主要通貨全体への信用が揺らいでおり、投資家は金に『原点回帰』している」と話す。
ギリシャ問題をめぐっては、EUや国際通貨基金(IMF)による緊急融資制度の創設、欧州中央銀行(ECB)による国債・民間債買い取りなど支援策が次々と決定された。これで市場では「売りが売りを呼ぶ悪循環は回避された」(日興コーディアル証券の本間英至シニアマーケットエコノミスト)との見方が大勢を占め、13日の日経平均株価は前日比226円52銭高の1万620円55銭と、1週間ぶりに1万600円台に戻した。
とはいえ、ギリシャの財政赤字の抜本的な解決への見通しは不透明。しかも、ECBによる国債購入が中央銀行の資産劣化を招き、「ユーロ余り、信認低下は必至」(市場関係者)と見る向きも強い。ユーロへの信用不安がくすぶる中で、発行体(国家)リスクのない「無国籍通貨」で安全資産とされる金へのマネー流入が続いている。
ただ、過熱する金相場も上昇トレンドは続かないとの見方もある。5月は多くのヘッジファンドの決算期にあたり、「株安の今、保有する金を売って収支を改善する動きが強まる」(豊島氏)ためだ。
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