2010年5月31日月曜日

メキシコ湾原油流出:BP、爆発事故6週間前に制御困難と当局に報告

5月30日(ブルームバーグ):英BPのメキシコ湾の油井で起きた爆発事故の6週間前に、同社が制御が困難になっていると電子メールで米政府当局に伝えていたことが分かった。原油流出事故について調査している米下院エネルギー・商業委員会が30日、この電子メールを公表した。

  BP幹部のシェリー・ダグラス氏から内務省のミネラルズ・マネジメント・サービス(MMS)ニューオーリンズ地区担当掘削技術官、フランク・パットン氏にあてた3月10日付電子メールによると、BPは油井とリグ(掘削設備)をつなぐパイプを切断し穴をふさぐことを計画していた。

  ダグラス氏は電子メールで「MC252#001に関して油井を制御しようとしており、パイプをふさいだ。掘削パイプを切断し、油井をふさぎ原油を迂回(うかい)させるため機器を入れて作業を開始する」と報告している。「MC252#001」とは制御が困難となっていた深海油井ミシシッピ・キャニオン252鉱区を指す。

  エネルギー・商業委員会のワクスマン委員長(民主、カリフォルニア州)と、監視小委員会のステュパック委員長(同、ミシガン州)は油井の設計に関する文書や、今年2月と3月、昨年11月の関連電子メールを公表した。両委員長は、これらの文書について「問題を提起しているが、爆発事故関連では追加調査が必要だ」との見解を示した。

  今回の電子メールで、BPが3月第2週には、原油流出への対処法についてJ・コナー・コンサルティング(ヒューストン)に支援を求めていたことが明らかになった。同社は世界の大手エネルギー企業数社に原油流出対策について助言している。電子メールによると、掘削機器に穴が開いた後、政府当局はBPが基準よりも浅い深さで油井をセメントでふさぐことを許可していた。

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