[フランクフルト 15日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のシュタルク専務理事は15日、世界経済は金融危機の次なる段階であるソブリン債危機にすでに突入した可能性があると警告した。
同専務理事はワシントンで講演し「急激な国家財政の悪化を特に懸念している」とし「危機の次の段階にすでに突入した可能性がある。金融・経済危機に続くソブリン債危機だ」と述べた。
また財政危機で揺れるギリシャに関連し、財政規律を守らない国に対する規制を強化する必要があると主張。「大幅な赤字の是正に時間がかかり積極的に対処されないという過去の経験から、安定・成長協定の実施を強化し、同協定に含まれる財政規律規制を厳格化することに対する説得力のある議論が出始めている」と述べた。
その上で「政府の財政赤字と債務が膨らんだ場合、インフレ期待が上昇し、中銀の金融政策に新たな負荷をかけることになる」と指摘。財政赤字の膨張はまた、困難に直面した国の借入コストを増大させ、成長の阻害要因となると警告。さらに、将来的に危機に見舞われたときに経済を支えるための手段をほとんどなくすことになると述べた。
同専務理事はユーロ圏は多くの問題を抱えているとしながらも、米国、日本、英国はより深刻な状況に直面しているとも発言。「公的債務の水準を安全圏まで引き下げることは、英国、米国、日本にとり、一層難しいことのようにみえる」と述べた。
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