3月1日(ブルームバーグ):チリで2月27日に発生した大地震の影響で地軸が移動し、1日の長さが恐らく短くなったと、米航空宇宙局(NASA)の科学者は分析している。チリ大地震による死者は700人以上に上った。
地震の影響により、数百キロメートルにわたる岩盤が数メートル移動し、地球上の質量分布が変化する場合がある。コンピューターモデルを使って地震の影響を計測しているNASAのジェット推進研究所(カリフォルニア州)の地球物理学者、リチャード・グロス氏によると、これが地球の自転に影響を及ぼす。
グロス氏は1日、ブルームバーグ・ニュースの質問に電子メールで回答し、「1日の長さが1.26マイクロ秒(100万分の1.26秒)短縮したはずだ」と指摘。「地球の質量のバランスを取っている地軸は2.7ミリ秒角(約8センチメートル)移動したはずである」としている。
グロス氏によると、これらの変化はモデルでは計測可能だが、規模が小さいため物理学的に検出するのは困難。英リバプール大学のアンドレアス・リートブロック教授(地球科学)は、一部の変化はより明白で複数の島が移動した可能性があるとの見方を示した。同教授は地震の影響を受けた地域を以前に調査したことがある。
リートブロック教授は1日の電話インタビューで、チリ第2の都市であるコンセプシオンの沖合にあるサンタマリア島が、今回の地震の結果、2メートル隆起した可能性があると述べた。同教授によると、この島の岩盤は、過去の地震の影響で島が押し上げられたことを証拠付けているとしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿