3月30日(ブルームバーグ):欧州債市場では、ギリシャ政府が29日に起債したユーロ建て7年国債が取引初日となるこの日に下落した。また、30日に突然実施した12年債の入札では、需要は募集額の半分以下にとどまった。資金調達でギリシャの苦戦が続くとの懸念が背景。
昨日起債された50億ユーロ(約6230億円)相当の7年債の利回りはロンドン時間午後4時28分(日本時間31日午前零時28分)現在、6.27%で取引されている。発行日前取引では6%だった。ABNアムロ・バンクによると、同年限のドイツ国債との利回り格差は約30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大の363bp。ギリシャ10年債も下落した。
ギリシャはこの日、12年国債の入札を予想外に実施した。10億ユーロの上限に対し、調達額は3億9000万ユーロにとどまった。ノムラ・インターナショナル(ロンドン)のシニア債券ストラテジスト、チャールズ・ディーベル氏は、「不幸なことだが、ギリシャ債のスプレッドがここからさらに縮小すると投資家はほとんど信じていないのが現実だ」と述べた。「今日の入札が市場からの圧力緩和に役立つと誰かがギリシャに助言したのだろうが、応札額はギリシャの期待を下回っただろう」と話した。
29日起債の50億ユーロの7年債に対しては60億ユーロ相当の注文があった。応募倍率は3月4日の10年債発行時(3倍)を下回った。ギリシャの公債管理責任者のペトロス・クリストドゥル氏は昨日、4月分の資金は確保したと述べていた。
WestLBの債券ストラテジスト、ジョン・デービーズ氏は、この日の入札は「前日に7年債を銀行団のシンジケーションを通じて迅速に販売しただけに、市場を若干驚かせた」と述べた。予想外の入札は「安全な投資先としてドイツ国債の支援要因となり、ドイツ債とギリシャ債のスプレッドを再び拡大させた」と付け加えた。
CMAデータビジョンによると、ギリシャ債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは20bp上昇して335.5bpと、約1週間ぶりの高水準を付けた。
この日の独10年債利回りは3bp低下し3.11%。同国債(表面利率3.25%、2020年1月償還)価格は0.21ポイント上げ101.15。独10年債相場はこのままいけば1-3月期は四半期ベースでプラスとなる。
ギリシャ財務省:2022年償還国債の入札は流動性改善が目的
3月30日(ブルームバーグ):ギリシャ財務省は30日、2022年償還国債の入札(リオープン発行)をこの日実施したのは、一部のプライマリーディーラーが同銘柄の値付けをやめ、流動性の改善を図る必要があったためだと説明した。
財務省は電子メールを通じて声明を発表し、「この銘柄が市場で不足しているため、一部のプライマリーディーラーが値付けを控え始めていた」と指摘した。
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