2010年3月28日日曜日

米国株:総じて下落、米国債入札不調で-ギリシャも不安材料

 3月25日(ブルームバーグ):米株式相場は総じて下落。米財務省がこの日実施した7年債入札が不調に終わったことや、ギリシャ救済に関して欧州首脳の間で意見がまとまらないことを嫌気。株価は取引終了30分前に大きく下落した。

利回り急上昇

  米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.88%。前日は17bp上昇している。10年債利回りは家庭や企業、外国政府の借り入れ金利を決める際の基準に用いられる。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は0.5%上げて82.207と、09年5月以来の高水準となった。ユーロはドルに対してほぼ11カ月ぶり安値に下落。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が、フランスのテレビ局に対し、ギリシャを国際通貨基金(IMF)など域外の機関が支援する可能性について「非常に悪い」と指摘したことが背景にある。

  フランスのサルコジ大統領は、ギリシャに対するいかなる支援も国際通貨基金(IMF)が関与すべきだと主張するドイツのメルケル首相に同調する意向を示した。

  米財務省が実施した7年債入札(発行額320億ドル)の結果によると、最高落札利回りは3.374%と、入札直前の市場予想の3.372%を上回った。既発の7年債利回りは3bp上昇の3.33%。

入札に失望

  ウェルズ・キャピタル・マネジメントの主任投資ストラテジスト、ジェームズ・ポールセン氏は「この日の入札は失望を誘った」と指摘。「問題は、国債利回りがどれくらい上昇し、それが株式相場にとってどれくらい障害になるかだ。トリシェ総裁の発言もこれまで急速に上げ過ぎていた市場に水を差した」と述べた。

  米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロス氏は、ほぼ30年続いた債券相場の上昇は終わりに近づいているかもしれないと指摘した。

  グロス氏は各国政府が急増する財政赤字を賄うため、記録的規模の国債を発行しており、米国や英国、日本などの過剰な借り入れが最終的にはインフレを引き起こすとの見方を示した。PIMCOは、財政赤字が低水準な上、社債の利回りが高いドイツやカナダなどの債券を購入するよう勧めている。

  ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏は電子メールで「米国債市場はここ2日間、大きく下げた」と指摘。「これは脆弱(ぜいじゃく)な経済が最も不要とするものだ。利回り急上昇の理由が、米経済が突如として好調さを取り戻したからではないからだ」と述べた。

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