3月25日(ブルームバーグ):米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロス氏は、ほぼ30年続いた債券相場の上昇は終わりに近づいているかもしれないと指摘した。
グロス氏は各国政府が急増する財政赤字を賄うため、記録的規模の国債を発行しており、米国や英国、日本などの過剰な借り入れが最終的にはインフレを引き起こすとの見方を示した。PIMCOは、財政赤字が低水準な上、社債の利回りが高いドイツやカナダなどの債券を購入するよう勧めている。
グロス氏は25日、カリフォルニア州のPIMCO本社からブルームバーグラジオとのインタビューに応じ、「債券相場の最盛期は過ぎたかもしれない」と指摘。「当社では利回りより、むしろスプレッド(利回り格差)への注目度を高めている。デュレーション(残存期限)はインデックス(指数)よりも短めであるべきで、スプレッドに関しては若干のリスクを取るべきだ」と述べた。
同氏は、米2年債利回りが直近の1.08%から、来年には1.25-1.5%に上昇する公算が高いと語った。景気が強さを増し、米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを開始することを理由に挙げた。
その上で、「実質金利は上昇している」とし、「それが債券相場の主な弱気要因だ」と続けた。
グロス氏は前日発表したコメントの中で、英国債は避けるべきだとした一方、米国とブラジルの期間の短い国債や、ドイツや欧州「中核国」の期間の長い債券に投資するよう勧めていた。
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