2月2日(ブルームバーグ):米金属取引会社リゾルブドのデービッド・スレルケルド社長は、投機家によるポジションの手じまいと世界の在庫増加により、銅相場は「破滅的状況」に向かっているとの見方を示した。銅相場は昨年、2倍以上に上昇した。
スレルケルド氏は2日のインタビューで「買いの約90%を投機家が占めている」と指摘。「ETF(上場投資信託)の投機家か中国の養豚業者の投機家かは重要ではない。これらの投機家による買いはいずれ市場に戻ってくるからだ」と述べた。同氏によると、中国には報告されていない銅在庫が約300万トンある。
リセッション(景気後退)脱却に向けた各国政府の景気対策導入を背景に原材料への投資が拡大したため、銅相場は昨年、140%高騰。世界最大の銅消費国である中国の2009年の精錬銅輸入は前年比で119%増加し、過去最高の320万トンに達した。
スレルケルド氏は「統計の報告の仕方を見ると、中国に輸入された銅はすべて消費されると仮定されている。それは明らかにばかげている」と述べた。上海先物取引所の指定倉庫の銅在庫は先週、10万1210トンと、前年同期の3倍以上に増加した。
スレルケルド氏は1996年、住友商事の元非鉄金属部長、浜中泰男氏による銅の買い占めが相場暴落につながる可能性を示唆し、注目を集めた。銅市場で40年以上にわたって取引している。
スレルケルド氏は、銅相場が1ポンド当たり1ドルを下回るとの見通しを維持。時期については特定しなかった。これは、1トン当たり2205ドルに相当し、現行水準を約67%下回る。
スレルケルド氏は「相場が破滅的状況に陥ると予想されることが分かっているので、わたしはこの相場水準に失望することはない」と語った。
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