2010年2月23日火曜日

米金融・債券市場展望=市場の関心は大規模入札に

[ニューヨーク 22日 ロイター] 23日の米国債市場では、12月の米S&P/ケース・シラー住宅価格指数、コンファレンス・ボードの2月の消費者信頼感指数が材料として予定されているものの、トレーダーの最大の関心事は、今週行われる米国債の大規模入札となるだろう。
 今週中に予定されている総額1260億ドルの大規模入札は、米国債相場にとって最大の圧迫要因。22日の入札結果はまちまちだったが、市場は依然として神経質な地合いを維持している。

 23日に実施される440億ドルの2年債入札は中でも安全とみられるものの、週後半に予定されている5年債や7年債の入札は、急増する政府債務に対する懸念の影響を受ける可能性がある。

 サンフランシスコに拠点を置くアクション・エコノミクスのグローバル債券アナリスト、キム・ルパート氏は「入札は無事に行われると思うが、アンダーパフォームとなるリスクはある」と指摘した。

 前週に連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合を引き上げて以降、米国債入札は今週が初めてとなる。金融当局は公定歩合の引き上げが、近い将来の金融政策引き締め転換を意味するものでないと声高に主張しているものの、市場における新たな懸念材料となっている。

 22日に実施された30年物インフレ連動債(TIPS)の入札が何らかの指針となるなら、今週予定されている残りの入札が波乱含みとなる可能性はある。ただ、アナリストらの間では、30年物TIPSUS30YTIP=RRの入札が約10年ぶりということもあり、先行指標としての影響力はそれ程大きくないとの指摘もある。

 総額80億ドルの30年物TIPSの発行日前取引では、予想を大幅に上回る利回りとなった。

 アナリストらからは、超長期物TIPSの入札はしばらくぶりだったため、プライシングに難しい面があったとの声も出ていた。

 22日に実施された30年物インフレ連動債(TIPS)の入札は、売り出し総額に対して2.45倍の応札があった。間接入札者の中では、海外の中央銀行や機関投資家の比率が42%、直接入札者の比率は約6%だった。

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