8月10日(ブルームバーグ):インドやブラジルでサトウキビが被害を受けており、世界の砂糖供給が2年連続で不足するとの見方が強まっている。
国際砂糖機関(ISO)は、2009-10穀物年度(09年10月-10年9月)の世界の砂糖需要は生産を最大500万トン上回ると予想している。最大の産地であるブラジルの一部の地域では降水量が平年の4倍に上り、収穫に支障が出ている。最大の消費国であるインドは6月に83年ぶりの乾燥気候に見舞われたため、輸入を倍増させる可能性がある。
ニューヨークの粗糖相場では、10年3月限を、今月7日時点の相場より44%高い1ポンド当たり30セントで購入する権利であるオプションの数が、過去4カ月で18倍余りに膨らんだ。相場上昇は米ケロッグやクラフト・フーズなど食品メーカーの費用を押し上げる一方、サトウキビ加工最大手、ブラジルのコサンSAインダストリア・コメルシオの利益拡大につながっている。
ザーニコフ・グループのインド在勤ディレクターで1994年からインド国内の砂糖業界を担当しているアダム・リーサム氏は「これまで砂糖のファンダメンタルズ(需給関係)がこれほど激しい不均衡に陥るのを見たことがない」と指摘。「インドだけではない。主要市場の多くで供給が不足している。今後、未知の領域に入るのは確実なようだ」と語る。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドなど大口投機家の相場上昇を見込む買い越しは今年に入って2倍以上に増加し、20万6330枚と、過去最高の24万792枚に達した08年1月以来の高水準となっている。
「素晴らしい将来」
粗糖相場は今年に入って76%高騰し、先週には20.85セントと、1981年4月以来の高値に達した。インド最大の砂糖メーカー、バジャジ・ヒンドゥスタンは、年末までに25セントに上昇すると予想。みずほコーポレート銀行は30セントへの上昇を見込んでいる。
10年3月限を40セントで購入する権利であるコール・オプションの数は過去4カ月で5倍に増加し1万8800枚となった。
マッコーリー銀行(ロンドン)は、09-10穀物年度の世界の砂糖消費量は1.3%増の1億6100万トンになると予想。推定生産量の1億5690万トンを上回り、在庫の減少につながるとみている。
著名投資家でロジャーズ・ホールディングスの会長を務めるジム・ロジャーズ氏は6日、シンガポールでのインタビューで「粗糖が強気相場の間にさらに大幅に上昇するのは確かだ」と予想。「粗糖相場は依然、過去最高値を70%下回る水準にある。1974年の水準を70%下回っている銘柄はそう多くない。粗糖相場の将来は素晴らしい」と語った。
0 件のコメント:
コメントを投稿