5月13日1時21分配信 産経新聞
プーチン・ロシア首相は今回、閣僚のほか、地方自治体の首長や有力財界人ら総勢300人以上の大訪問団を引き連れて来日した。来日した閣僚6人のうち首相自身を含め実に5人が、「シロビキ(武闘派)」と呼ばれる旧ソ連国家保安委員会(KGB)など保安、治安機関の出身者であることも関係者の間で話題となっている。
「シロビキ」閣僚は、KGB出身のプーチン首相、ベリヤニノフ連邦関税長官のほか、軍事政治学校を卒業したクライニー連邦漁業庁長官、同じく軍参謀本部軍事アカデミーを修了したシマトコ・エネルギー相、さらに、軍役後、検事としてキャリアを築いたコノワロフ法相の5人だ。「シロビキ」と無関係なのは、国営公社「ロスアトム」のキリエンコ社長だけ。
ロシアでは、プーチン前政権下でKGB出身者が数多く政権内に登用され、指導部の8割が「シロビキ」人脈になったという調査結果もある。メドベージェフ大統領はプーチン首相と双頭体制を構築しているとされているものの、シロビキが依然強い権力を維持していることが訪日団の人員構成にも表れたようだ。
北方領土問題解決に向け作業加速で一致=麻生・プーチン会談
[東京 12日 ロイター] 麻生太郎首相とロシアのプーチン首相は12日夕、官邸での会談後に共同記者会見に臨み、北方領土問題解決に向けた方策を模索する作業を加速することなどで一致したことを明らかにした。
7月にイタリアで開催される主要国首脳会議(サミット)における日露首脳会談でも、領土問題について話し合うことを確認した。
麻生首相によると、会談では北方領土問題について、1)両国間に平和条約が存在しないことが日露関係進展の支障になっている、2)領土問題という日露間の障害を取り除くため、4島の帰属問題の最終的な解決が必要、3)領土問題をわれわれの世代で解決するため、双方に受け入れ可能な方策を模索する作業を加速する????ことで一致した。
麻生首相は「領土問題というトゲを取り除くことができれば、(日露は)真のパートナーとしての関係を構築していくことが可能になるだろう」と強調し、「7月のサミットに向けて有意義だった」と領土問題進展に期待感を示した。
これに対してプーチン首相は、ロシア側としてサミットにおけるメドベージェフ大統領との首脳会談でも領土問題について話し合う用意があると述べるとともに、「その中で、あらゆるオプションが話し合われることになる」との見解を示した。
麻生首相は、プーチン首相の訪日が「日露関係を高い次元に引き上げる重要な一歩になった」と成果を強調。プーチン首相も「ロシアと日本の関係発展が、地域の発展と安全保障の重要な要因であることを確認した」と応じた。
ロシア 「多面的に関係を深めたい」訪日の大学学長
プーチン露首相の訪日に同行しているロシア南部の名門校、カバルディノ・バルカル大のバラスビ・カラムルゾフ学長が11日、毎日新聞と東京都内で会見した。「我々は科学の基礎研究で優れているが、技術の実用化や商業化に難がある」と述べ、12日の「日露学長国際フォーラム」を研究分野での協力推進のきっかけにしたいとの考えを示した。
フォーラムには、ロシアからモスクワや極東などの大学約10校の学長、日本側からは約20大学の学長がそれぞれ参加。カラムルゾフ学長は「プーチン氏が前回訪日した際(05年)には両国の産業界による『経済フォーラム』しか開かれなかった。今回は学長フォーラムや知事同士の意見交換会も別途開かれる。多面的に日露関係を深化させたいロシア側の真摯(しんし)な姿勢の表れだ」と指摘した。
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