5月8日(ブルームバーグ):米製薬大手ファイザーは8日、同社によるワイス買収完了後、エーザイがアルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」に関するファイザーとの提携の解消を目指す可能性があることを明らかにした。
ファイザーによる当局提出書類によれば、エーザイはファイザーにあてた最近の書簡で、ワイス買収後に販売促進合意を解消する権利があるとの見解を示したという。ただ、ファイザーは、エーザイの見解に「法的根拠」はないと考えており、提携解消に向けた「取り組みに反対する」方針を示した。
エーザイの米国在勤広報担当者のリン・ケニー氏のコメントは現時点で得られていない。
ファイザー日本法人の岩崎博充社長は3日、都内で記者会見し、米ファイザー本社のワイス買収を受け、「国内の医療用医薬品市場で主導権を握ることができ、最大規模の売上高になるのは間違いない」と強調。国内シェアでトップに躍り出るとの見通しを示した。ファイザーとワイスの日本法人の売上高を単純合算すると、国内シェア(販促会社ベース)は6%台になり、現在トップに位置する武田薬品の6・1%を超える見込みだ。一方、買収後に発表された1万9000万人の人員削減策の影響に関しては、「まだ本社から連絡はない」と述べるにとどまった。
岩崎氏は、ワイスの買収について、「こういう組み合わせもあったのかと感心した」と感想を述べ、ファイザーが日本を除くグローバルで1月から導入したビジネスユニットに言及。「ビジネスユニットがあったからこそ、ワイスの買収が可能になったのではないか」との見解を示した。その上で、ファイザーとワイスの日本法人が統合した結果、国内シェアは6%台になるとの見通しを示し、「ファイザーとワイスで国内の医療用医薬品市場で主導権を握ることができる。トップ規模の売上になるのは間違いない」とした。2009年第4四半期に予定される統合によって、売上合算で国内トップに躍り出るとの計算だ。
また、統合後の日本法人の事業方針については、「まだワイスと連絡を取っていない」と述べ、統合が完了した第4四半期以降の作業になるとの見方を示した。さらに、ワイス買収を受け、ファイザー本社が発表した人員削減策については、「日本でどれぐらいの規模の削減を行うか、本社から連絡はない」とした。
一方、岩崎氏は、米国での業績が減速する中、「米国市場以外への期待が高い」と指摘。「日本は世界第2位の医薬品市場であり、日本法人の業績を達成していくことが存在感の発揮につながる」とし、日本への投資継続に自信を示した。
なお、日本でのビジネスユニット導入は、現在プロジェクトチームでの検討が進められており、12月から移行する予定。
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