2009年2月4日水曜日

スティーブン・ローチはいま・・

2008年12 月4日
クリントン・グローバル・イニシアチブ(CGI)にて
 *CGIは、ダボス会議に次ぐ、世界的なコンファレンス

「金融危機は、三つのバブルがはじけたのだ。一つ目が不動産バブル、二つ目が信用バブル、そして三つ目が消費バブルである」。
「アジアの経済は輸出志向で、消費がGDPに占める割合が45%程度である。文化的な違いなのか将来に対する不安があるのかは不明だが、貯蓄率が高くて消費に向かっていない」。
「これから世界の比重がアジアに移行していると言われているが、これだけ過少消費で内需が拡大していない経済構造で、本当にアジアの時代と言えるのであろうか」 と最後には声を荒げて主張。

『超大国の破綻(2003)』の頃とは考えが変わってきたようですね・・。但し2006年からは曲り屋として有名だそうですが・・。


2008年12月10日 恵比寿ガーデンプレイスにて
 [東京 10日 ロイター] モルガン・スタンレーのアジア会長であるスティーブン・ローチ氏は10日、世界経済の見通しとして2009年の成長率は1─1.5%に落ち込み、2010年も3%程度までの弱い回復にとどまるとの見通しを示した。
 モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投信が主催したセミナーで同氏は、世界経済について、07年年央までの5年近くは年率平均5%の高成長を維持したが、足元は急激に減速しており「高速道路を最高速度で走っていたところ、いきなり急ブレーキがかかり、シートベルトをしていなかいで放り出されるような状況」と指摘した。
 世界的な金融危機の震源地となった米国を含む世界各国の政府が金融緩和や財政出動による景気刺激策を打ち出しているものの、ローチ氏は「世界はバブル後の時代に突入しており、各国がどんなに資金を注入して流動性の向上に努めても状況の悪化を抑えるのみで、経済をV字回復させることはない」と語った。
 同氏は、昨年から深刻化した米サブプライムローン問題について当初「影響は限定的」と見る向きもあったが、資産バブルの崩壊を受けてコモディティーバブルも新興国株バブルも既にはじけており、ドバイの不動産市場など現時点で世界に残っている「バブル」もすべて終息に向かうとの見通しを示した。
 米国経済については、過去14年間続いた消費ブームが終わり、数年間は調整局面が続くとの見方を示した。米国では07年に消費が実質GDP比72%と過去最高水準を記録したが、ローチ氏は「この数値は、米消費バブル入り前の25年間の平均値である67%まで落ちる」と予想する。同氏は「米国と日本の経済は違うが、類似点も多い」とみており、日本が90年代のバブル崩壊後に経験したように米国も「数年にわたり調整局面が続く」と述べた。


そして(1/26)ダボス会議
  【ダボス】世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が26日開幕し、冒頭の世界経済討議では金融引き締め局面に突入した米国景気の持続力に懸念を表明する意見が相次いだ。日本、中国、欧州は2004年よりも成長率は減速するものの比較的安定した成長速度を維持するとの見方で一致。米景気への警戒感が際立つ結果となった。
 米証券モルガン・スタンレーのエコノミスト、スティーブン・ローチ氏は米経済の懸念材料として、「消費の行き過ぎ、貯蓄率の著しい低下、経常赤字などの不均衡」を指摘。米連邦準備理事会(FRB)が今年、本格的な金融引き締め局面に入れば「バブル化した資産に依存した米経済だけでなく、世界経済への試練となる」と警告した。
 米保険AIGグループのフレンケル副会長も米経済についてはローチ氏の見解におおむね同意。「経常赤字は世界経済全体に対する危険要因であり、米政府は財政赤字を深刻に受けとめていない」と双子の赤字がはらむリスクを強調した。


1月30日(ブルームバーグ)
  モルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長は30日、スイスのダボスでブルームバーグテレビジョンとのインタビューに応じ、「これは広範囲にわたり急速に進行する深刻なリセッション(景気後退)だ。早急な解決策はない」と話した。

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