2009年2月1日日曜日

バロンズ・ラウンドテーブル-マーク・ファーバー氏

世界経済は楽観できない。次のマドフ事件、つまりねずみ講は米国政府そのもので、破綻は時間の問題だ。しかし、株式市場は昨年11月21日までの14ヵ月で1973~74年と同程度下げており、売られすぎの状態になっている。市場は今後の財政刺激やリフレ政策をやや好意的に解釈し、株価は上昇する可能性もある。また危機が深刻化すれば、研究開発や市場シェア拡大のための資金のない会社と、優良企業の間での二極化が進展するだろう。

アジア株:
アジアでのエクスポージャーを取ることを望むならば、今後も生き残る質の高い企業への投資が良い。シンガポールでは消費財メーカーのフレーザー・アンド・ニーブ、銀行のユナイテッド・オーバーシーズ・バンクやOCBC、香港ではスワイヤ・パシフィック、サンフンカイ・プロパティーズなどが良いとみている。タイではバンコク銀行とグロー・エナジー、インドではICICIバンクやインフォシス・テクノロジーズなどが良い。これらの会社はさらに50%下落するかもしれないが、その際にはさらに買い増しするべきだ。

資源株:
資源銘柄の株価は中国の需要に牽引されて上昇し、その後崩壊した。今後6ヵ月でこれらの企業には大幅な上昇余地がある。リオ・ティント、BHPビリトン、ヴァーレなどが良いとみている。金融危機とコモディティー価格の下落で資源開発は停止したため、5年後か10年後かに経済の回復があれば、これらの株価は爆発的に上昇するだろう。6ヵ月後も今よりは事態が好転している可能性があり、これらの銘柄は良いだろう。
産金、産銅のフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドは127ドルから15ドルまで下落して今は26ドルだ。スイスのエクストラータも良い。また、カイザー・アルミナムに、アルコアも付け加えて推奨する。

新興市場株:
金融緩和、ゼロ金利、財政赤字主導の景気回復においては、世界経済で最もシクリカルな部分である新興市場に反発の可能性がある。モルガン・スタンレー・インディア・インベストメント・ファンド、iシェアーズMSCIブラジル・インデックス、テンプルトン・ロシア・アンド・イースト・ヨーロピアン・ファンド、グレーター・チャイナ・ファンド、iシェアーズFTSE/新華チャイナ25、ターキッシュ・インベストメント・ファンドなどには50%の上昇の余地がある。日本に関しては良いところがないが、この状態が20年間も続いているため、日本株は、これ以上下げないかもしれない。

米国債(売り):
長期国債の転換点が到来している可能性がある。米国の国債市場は絶好の売り場だ。プロシェアーズ・ウルトラショート・リーマン20+ETF(TBT)で国債を売ることができる。TBTの価格は、国債価格が下落し、利回りが上昇すると上昇する。ウルトラショートなので、20年以上の国債価格の変動の倍だけ価格が変動する。利益を上げるまで2年程度かかる可能性がある。

ハイイールド債および転換社債:
ニコラス・アップルゲート・コンバーチブル&インカム・ファンドが現在5ドルで買える。FRBはあらゆる資産を買い進めており、他のプレーヤーが当局の先を行って、同じ資産を買い集めようとしている。ジャンク債と転換社債は、社債と同様に大幅に上昇する可能性がある。

金:
金に対する強気に賛成するが、金は2008年には上昇しており、割安の資産を買うために売られる可能性もあるため、今年の後半まで金価格は上昇しないかもしれない。一方の産金会社は金融危機で打撃を受けており、多くは2~3ドルで取引されている。これらの企業には大幅な反発の可能性がある。カナダのカブリエル・リソーシーズは1.60カナダドルで取引されている。

米国株:
私は本当に久しぶりに米国株を買った。インテル、シスコシステムズ、ヤフー、オラクル、マイクロソフトなどは、今後10年間国債を買うよりはるかに良いだろう。これらの銘柄は2倍、あるいは3倍になる可能性がある。最後にはゼロになるかもしれないが。

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