2009年2月14日土曜日

米国債:30年債が下落、最大規模の140億ドル入札を実施

2月12日(ブルームバーグ):米国債相場は30年債が4日ぶりに下落した。財務省が午後に入り実施した30年債入札(140億ドル)は2006年に再開されて以降で最大規模だった。

30年債入札の最高落札利回りは3.54%と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想を上回った。償還期限が5年以下の国債利回りは、株式相場の下落を手掛かりに低下した。今週に入り実施された10年、3年債入札は過去最大規模だった。

フェデレーテッド・インベストメント・マネジメントの国債・住宅ローン担保証券(MBS)担当共同責任者、ドナルド・エレンバーガー氏は「市場がこなした入札の規模を考えると、結果は成功だったと言わざるを得ないだろう」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後3時44分現在、30年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp= 0.01ポイント)上げて3.49%。同国債(表面利率4.5%、2038年5月償還)価格は28/32下落し118 13/32。

5年債利回りは3bp下げて1.73%。2年債は3bp低下して0.88%。

失業保険継続受給者数

労働省が発表した1月31日までの1週間の失業保険継続受給者数は4週連続で増加し、481万人と1967年の統計開始以来の最高に達した。

米景気対策法案の一本化作業を進めていた両院協議会は、法案の規模を 7890億ドルに縮小することで合意した。法案は近く成立する見通しだ。ブルームバーグ・ニュースがまとめた月間調査によると、オバマ大統領の景気対策は今年1.9%のマイナス成長が予想されている米経済を回復させるには不十分とみられている。

キャボット・マネー・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ウィリアム・ラーキン氏は、景気対策案に対する否定的な見方と株価の下落は、「供給増にもかかわらず、国債の投資妙味を押し上げている」と述べた上で、「景気回復のタイミングはどんどん先送りされているようだ。時期が遅くなるほど、安全投資先としての国債の魅力は高まる」と続けた。

入札結果

30年債入札(発行額140億ドル)の結果によると、最高落札利回りは 3.54%と、入札直前の市場予想3.514%を上回った。前回(2008年11月13 日)は4.31%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.02倍と、前回の2.07倍を下回った。

外国中央銀行を含む間接応札が落札全体に占める割合は33.9%で過去10 回の平均値27.9%を上回った。

財務省は今週、3年債(320億ドル)と10年債(210億ドル)の入札を実施した。いずれも間接応札は増加。3年債と10年債入札で間接応札が落札全体に占めた割合はそれぞれ44.8%と37.8%だった。

同省は今月4日、30年債の入札頻度を年8回と、これまでの4回から拡大すると発表した。11日に発表された1月の米財政収支は838億ドルの赤字と、市場予想を上回る規模だった。歳出が増加した一方、法人からの税収入が減少した。

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