[ニューヨーク 28日 ロイター] 関係筋によると、米司法省は大手銀行によるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)操作疑惑をめぐり刑事捜査を進めている。
事情に詳しいある関係者が明らかにした。
同省がLIBOR操作疑惑を調査していることはすでに報じられていたが、刑事捜査に乗り出したことが明らかになったのは初めて。事態の深刻さが浮き彫りとなった。
銀行間取引金利の操作疑惑をめぐっては、米国、日本、カナダ、英国で調査が進められている。
シティグループ、HSBCホールディングスPLC、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループPLC、UBSなどの一部大手行は、LIBORの決定方法について当局から問い合わせを受けたことを明らかにしている。
これまでのところ、同疑惑で刑事訴追された銀行やトレーダーは出ていない。
司法省がどの金融機関を捜査しているかは不明。同省や金融機関のコメントはとれていない。
銀行間金利 共謀し操作か 当局がメール入手 危うい内部統制 Sankei Biz
ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)をめぐる不正疑惑で、銀行員とトレーダーが共謀して同金利を操作した可能性があることが欧米各国当局の調査で明らかになった。銀行の内部統制の欠陥が、トレーダーが世界中で金利を操作するのを許した恐れがある。関係者2人が明らかにした。
関係者らが公に話す権限がないとして匿名で語ったところでは、調査当局はLIBOR設定をめぐる金融機関の共謀の可能性を示す電子メールを入手した。銀行で金利を提出する行員とトレーダーがすぐそばで仕事をしているケースもあり、相互の情報の漏れを遮断する「チャイニーズウオール(万里の長城=証券業界における部門間の情報の壁の意味)」不在を監督当局は重視しているという。
関係者らによれば、英金融サービス機構(FSA)は、銀行の自己勘定取引部門が金利デリバティブ(金融派生商品)取引のためにLIBORの方向性について知り得た情報を利用し、銀行の取引相手を欺いていなかったかどうか調べている。関係者の一人によると、FSAが年内に制裁を科す公算は小さく、現段階では刑事責任を問う方向にはまだ動いていないという。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の金融市場グループの研究員、トム・キルヒマイヤー氏は「全体の事情は銀行にとって非常にきまりの悪い話だ。どのようにこれを根絶するかは分からない。監督当局はLIBORの設定方法を見直さざるを得ないだろう」と指摘した。
LIBOR操作をめぐっては、カナダの競争当局が、JPモルガン・チェースやドイツ銀行、HSBCホールディングスを含む少なくとも7社について、金利デリバティブの価格操作で共謀した疑いで調査している。
オンタリオ州の裁判所に昨年5月に提出された書類によると、当局はこれら企業による2007~10年の間の行為について調査しているという。裁判所書記官がブルームバーグ・ニュースに開示した同書類によると、当局は「金利デリバティブの価格を不当に高めるため共謀したかどうか」について調べを進めている。銀行が時にはブローカーの手助けを得ながら、円LIBORで人為的に高いもしくは低い条件を提示することに合意していたと、「協力者」が当局に話したという。(ブルームバーグ Lindsay Fortado、Andrew Mayeda)
米司法省:LIBORなどの操作疑惑で刑事捜査-公式に確認
3月6日(ブルームバーグ):米司法省は、世界の金融市場で指標として利用されるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)などの操作疑惑について捜査を進めていることを初めて公式に確認した。マンハッタンの連邦地裁のナオミ・バックウォルド判事に宛てた書簡の内容が6日公開された。
司法省の刑事局および反トラスト(独占禁止)局の担当者が署名した2月27日付の書簡は、「複数の通貨」建てのLIBORを含む「一部の指標金利の操作疑惑に関する刑事捜査を司法省が行っている」ことを認める内容となっている。
バックウォルド判事は、英国銀行協会(BBA)に借り入れコストを低く申告することで、金融機関が共謀してLIBORを人為的に抑制したと訴える複数の集団訴訟に関与している。
LIBORを人為的に操作したとクレディ・スイス・グループやバンク・オブ・アメリカ(BOA)などを訴えている投資家らは1日の審理で、捜査に関連する文書の請求を行ったが、バックウォルド判事はその請求を退けた。判事はこの審理で書簡に言及していた。
英バークレイズに規制措置も、LIBOR操作疑惑めぐり
[ロンドン 9日 ロイター] 大手銀行によるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の操作疑惑をめぐり、英銀大手バークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)は9日、何らかの規制措置を受ける可能性があり、関係当局と問題解決に向け協議していると明らかにした。
バークレイズは、規制当局が進めている調査に協力していることを明らかにした。ただいずれの当局から規制措置の可能性について通告されたのか、どのような協議を進めているのかについては明確にしなかった。
LIBORの操作疑惑をめぐっては、英金融サービス機構(FSA)や欧州委員会、米司法省などが調査を進めている。
仏銀ソシエテ・ジェネラル(ソジェン)(SOGN.PA: 株価, 企業情報, レポート)も7日、LIBORの算出に関する調査の一環として、欧米規制当局から情報の提供を要請されたことを明らかにしている。
米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)のほか、英HSBC(HSBA.L: 株価, 企業情報, レポート)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)(RBS.L: 株価, 企業情報, レポート)、スイスのUBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)が、LIBOR操作に関与した疑いが持たれている。複数行がトレーダーを停職にするなどの措置を取っているものの、これまで刑事責任は問われていない。
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