1月3日(ブルームバーグ):米ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン氏は毎年恒例の「びっくり10大予想」を発表、2012年に原油価格がバレル当たり85ドルまで下落し、S&P500種株価指数は1400を上回るとの見通しを示した。同氏が示した昨年の経済・株式予想は、楽観的過ぎる結果に終わった。
ブラックストーンのアドバイザリー・サービス部門の会長を務めるウィーン氏は1986年以降、毎年10大予想を発表している。今年の米経済成長率は3%を超え、失業率は8%を下回るとみている。同氏の予想に基づくと、原油価格は昨年末終値から14%値下がりすることになる。一方、S&P500種は11%の上昇を見込んでいる。
ウィーン氏は3日の発表文で、「原油価格の下落と株価の上昇は、消費者信頼感や消費の改善につながる」と指摘。「リセッション(景気後退)への恐怖だけでなく、長引く低成長を『ニューノーマル』とみる見方さえ疑問視される」と続けた。
ウィーン氏は2011年1月、経済成長見通しに加え、10年物国債利回りが5%に迫ると予想、S&P500種が1500に接近すると予想していた。エコノミストの予想中間値では2011年の経済成長率は1.8%となっており、10年債利回りは3.77%がピークだった。S&P500種は1363.61が期間内での最高値だった。ウィーン氏の予想が的中したのは、米失業率の低下と金・原油の値上がりだった。
今年の全10大予想は以下の通り。
◎原油は85ドルに下落◎S&P500種は1400超え◎米実質GDP成長率は3%超、失業率は8%未満に低下◎大統領選はバラック・オバマ氏対ミット・ロムニー氏に民主党は下院で勝利するが、上院では敗北◎欧州はソブリン債危機の解決に向けた広範な計画を作成。ギリシャとイタリアが債務を再編。スペインとアイルランドが財政を強化。銀行のメルトダウンは回避。欧州経済は縮小。◎主要金融機関へのハッカー攻撃◎スカンジナビアやオーストラリア、シンガポール、韓国など「自国経済を賢明に管理している」と思われる国の通貨買いに◎米議会が今後10年間で債務を1兆2000億ドル削減することで合意。国防費やメディケア(高齢者医療保険制度)費用、農業への助成金、さらに一部の税控除をカットへ◎シリアのアサド大統領が更迭◎中国、インド、ブラジルの株価指数が15-20%上昇
原題:Wien Sees Oil Falling to $85, S&P 500Topping 1,400 in 2012 (1)
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