2011年12月1日木曜日

【コラム】金相場、年末に向け一段高か

【チャペルヒル(米ノースカロライナ州)】市場センチメントの条件は金価格の上昇を後押しし続けている。

 筆者が金相場のセンチメントに関するコラムを書き、その強気のレベルがこの2年半で最低に落ち込んだことを報告したのは1カ月前のことだった(10月26日のコラム「Why gold is rallying」を参照のこと)。

 その後の2週間で1オンス当たりの金価格は150ドルほど上昇したが、今日の価格は当時よりもやや高いというレベルである。そろそろ市場のセンチメントを見直す時期が来たようだ。

 ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェストが追跡している、一部の短期的ゴールドマーケットタイマーのあいだで推奨されている金相場への平均エクスポージャー(ハルバート・ゴールド・ニュースレター・センチメント指数HGNSIで測定)で見てみよう。現在、その平均値は13.7%となっており、これはマーケットタイマーたちの金ポートフォリオの大半がキャッシュで占められていることを意味する。

 この状況を総体的に捉えるには、現在の金価格が8月初旬のレベルとあまり変わっていないということを思い出す必要がある。にもかかわらず、当時のHGNSIは今日のように低くはなかった。それどころか、ここ数年間でも最高レベルの67%という値を示していたのだ。

 言い換えれば、ゴールドタイマーたちは当時、金が注がれたグラスに関して半分、あるいは4分の3ほど満たされていると考える傾向にあった。ところが現在は、同じ分量の金が注がれているグラスについて、ほとんど空と見なしているのである。

夏の終わりと秋の初めの急激な調整は、金相場が上昇し続ける上で障害となる過剰なレベルの強気を取り除くために必要だったという見方もできる。今日では逆に、そうした弱気筋の希望の坂が強気筋の心配の壁に取って代わられている。

 過去1年間の金の調整安時にHGNSIの値がどう変化したかを見れば、この心配の壁の存在を裏付けることができる。調整安が繰り返されるごとに、HGNSIの値もさらに下がっている。

調整安の時期 HGNSI

1月の終わり -1.4%

5月の半ば 7.0%

7月の初め -6.3%

9月の終わり -6.3%

10月の終わり -13.0%

 HGNSIの値が以前にも増して下がって行くというパターンは、心配の壁が建設されていることを示す典型である。

 逆張り投資家の分析によると、これは最近付けた金の史上最高値、1オンス=1900ドル以上の更新に向けて強固な足場が築かれている証拠だという。

もちろん、これによって金相場の上昇や、それがすぐに起きるということが保証されるわけではない。しかし今、逆張り投資家の分析が強気筋を支持していることだけは確かである。

(執筆者のマーク・ハルバート氏は、バージニア州のハルバート・ファイナンシャル・ダイジェストの創設者。1980年以降、160以上の金融ニューズレターの助言の追跡調査を実施している)

0 件のコメント: