11月15日(ブルームバーグ):資産家でヘッジファンドマネジャーのジョン・ポールソン氏は、欧州のソブリン債危機の影響で市場が混乱する中、運用するヘッジファンドのリスクをさらに軽減している。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。同氏の今年の運用成績はこれまでの職歴で最悪となっている。
関係者が匿名を条件に明らかにしたところによると、ポールソン氏は14日、投資家に対し自身が率いるヘッジファンド運営会社ポールソンが主要なヘッジファンドの「ネットエクスポージャー」を30%に低下させたと述べた。約4カ月前は60%だった。同社の運用資産総額は280億ドル(約2兆1600億円)。
ポールソン氏は、ニューヨークのメトロポリタン美術館で2日間にわたって開いた年次会議で、欧州の債務危機封じ込めが、より確実になるまで同社が強気の投資を減らす方針であることを明らかにした。ポールソンの主要ファンド「アドバンテージ・プラス・ファンド」の年初来の運用成績はマイナス44%、「アドバンテージ・ファンド」はマイナス29%となっている。両ファンドの運用資産は計110億ドルで、企業買収や破綻などの企業イベントから利益を上げることを目指す。
ポールソンの広報担当者、アーメル・レスリー氏は年次会議に関するコメントを控えた。
ネットエクスポージャーはファンドの買い持ち(ロング)ポジションから売り持ち(ショート)ポジションを差し引いて算出する。ポールソン氏は7月に開いた投資家との電話会議で、強気の投資を81%から60%に減らしたことを明らかにし、さらにリスクを軽減する可能性を示唆していた。
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