2011年11月4日金曜日

米QE3に備え、株・商品は「買い」-フィデリティのティンマー氏

11月3日(ブルームバーグ):投資家は株式と商品の購入を開始すべきだ。フィデリティ・インベストメンツのジュリエン・ティンマー氏が指摘したもので、米国をはじめ各国の金融当局がインフレ誘発方向の政策を取ることで高リスク資産の上昇が見込まれるためだと説明した。

「グローバル・ストラテジー・ファンド」(資産規模:2億1900万ドル=約171億円)の運用に携わるボストン在勤のティンマー氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和第3段(QE3)に備え、過去1カ月に株の保有を増したという。欧州中央銀行(ECB)もイタリアとスペインの国債購入を拡大すると、同氏は予想する。

  ティンマー氏は2日にモントリオールでインタビューに応、「米国はリフレーション(通貨再膨張)モードに戻りつつあるようだ。これは一般的にリスク資産に朗報だ」と語り、「米金融当局はQE3が近いことを示唆するのろしを上げているとみられ、自身のファンドではリスク資産への志向を若干高めている。QE3は年内でなく、来年の可能性がより高いと思う」と語った。

ティンマー氏は9月末から株式保有を増やし始め、現在の比率は約60%。同氏のファンドは、為替ヘッジとして、現在約10%を金・銀の現物で保有しているという。

ECBは欧州債務危機を受けて、昨年5月に債券買い取りプログラムを開始。ティンマー氏は「ECBは流通市場での国債購入を強化、継続する必要があり、イタリア国債を一段と買い進めなければならない。現在の総裁がイタリア人であることはやや皮肉でもある」と語った。

           問題はイタリア

ユーロ圏のメンバーとしてのギリシャの命運に投資家の疑念が広がっているが、ティンマー氏はそれよりもイタリアの動向に注目しているという。「私にとって今は、欧州の問題はイタリアが全てだ」と指摘し、「ギリシャについてはヘアカット(債務減免)が実施されることになり、その規模と自発的なものとなるか否かの問題にすぎない。真の問題は危機の伝染で、イタリアは譲れない一線だろう。イタリアは大き過ぎてつぶせない」と語った。

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